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HIS、5年ぶりに賃上げ実施

エイチ・アイ・エス(HIS)は、一人ひとりが働きがいを感じ、心躍る仕事ができる環境を整えていくことを目的に、2024年春のベースアップ、並びに2025年新卒初任給の引き上げを実施ずる。HISが賃上げを実施するのは、コロナ禍を経て5年ぶりである。
 正社員・契約社員を対象に、定期昇給とベースアップあわせた平均賃上げ率4.3%の給与改定を実施する。20年より猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の5類引き下げによる旅行需要の回復を受け、HISの業績も大きく上向いてきており、近年の物価上昇への対応と中長期的な人財の確保をめざして賃上げの実施を決定した。
 HISでは人財が価値創造の源泉であると考え、今後も社員が安心して働くことができる環境の整備を推進し、社員一人ひとりがパーパスに掲げる「心躍る」挑戦ができるための支援をすることにより、中期経営計画の達成と持続的成長をめざす。
(エイチ・アイ・エス発表ニュースリリースを要約 3月11日)

 インバウンド需要の回復で旅行業の業績は持ち直している。エイチ・アイ・エスも「中東地域・ウクライナ情勢に伴う地政学リスク、物価上昇、円安基調、労働力不足といった外的環境により、当社グループの企業活動は影響を受けることが懸念される」と前置きしつつも、業績は上向いている。
2024年10月期の連結業績の見通しは、売上高3500億円(前期比139.0%)、営業利益90億円(同644.2%)、経常利益72億円(同497.9%)、当期純利益は52億円(76億 円改善)を見込んでいる。急回復である。
新卒入社の初任給も引き上げる。25年新卒社員の初任給は一律1万5000円引き上げ、地域手当を含めると、首都圏の1都3県では大卒以上は23万5000円。
人事制度の運用に余裕ができたのだろうか。HISは、24年5月より定年後再雇用制度を改定し、60歳以上の選択的週休3日制を導入する。
旅行業はコロナ禍で最も打撃を受けた業種で、HISもハウステンボスの売却など大きなコストダウンを断行したが、業績回復によって折からの賃上げラッシュに対応できる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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