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モスフードサービス、社員給与を平均8%引き上げ

モスバーガーを展開するモスフードサービスは、2024年4月分給与より、全社員約650名に対しベースアップを実施し、人事考課による定期昇給分を含め平均で 8%程度の賃金引上げを行う。
 ベースアップは、全対象者一律で1カ月あたり1万円を支給することに加え、今回決定の平均 3%を増額するハイブリッド型(合計平均 6%)とする。定率だけでなく対象者一律の定額アッ プを組み合わせることで勤続年数の少ない若手社員ほど高い昇給率となり、将来にわたって会社やチェーンに貢献できる人材を育成することをめざす。
 人材流出を防止するとともに、新卒採用やキャリア採用においても競争力を高め、物価上昇による社員の生活への不安軽減および、社員の会社への 信頼やエンゲージメントの向上を図る。
(モスフードサービス発表ニュースリリースを要約 2月27日)

 コロナ禍の影響をあまり受けなかった外食業態はファストフードである。日本フードサービス協会の調査では、2023年のファストフード市場動向は22年比10.4%、19年比20.1%とコロナ禍前を上回った。テイクアウトとデリバリーの展開で業態を強化してきた結果といえよう。
 モスフードサービスは、基幹事業の国内モスバーガー事業では重点施策として粗利の改善、販管費の抑制に注力し、海外事業では、コロナ後の人流の変化に対応して、既存店の強化に努めるとともに、不採算店舗の閉店や本社経費の抑制など収益性の改善に継続して取り組んでいる。
 今第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高705億500万円(前年同四半期比9.9%増)、営業利益35億3800万円(同282.1%増)、経常利益38億2500万円(同227.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益31億400万円 (同240.6%増)。
 同社はデジタル化にも重点的に取り組み、人手不足の対応としてフルセルフレジ、ソフトコール、番号表示パネルなどを活用した店舗づくりの推進に加えて、顧客の利便性向上に向けた対応としては、レジに並ばずにスマホで注文するテーブルオーダーや、パーキングオーダーを試験的に導入した。デジタルに慣れないとモスバーカーに行きにくくなってしまうが、今後もモスバーカーを食べたければ慣れる以外にない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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