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すかいらーく、過去最高の賃上げ率6.22%

すかいらーくホールディングスは、従業員の 生活水準の向上を目的に、過去10年で最大の賃上げ水準であった昨年(4.38%)を上回る賃上げを決定し、初回交渉で満額回答に合意した。
合意内容は①4月から基本給を一律で引き上げるベースアップ5%(1万7400円)と定期昇給を合わせて平均約6.22%(2万1,333円)の賃上げをする②今春入社予定の正社員の初任給は24万5800円と1万7400円増やす。
対象者は、すかいらーくホールディングス、すかいらーくレストランツ正社員4,200 名。
人財による成長こそが最大の成長戦略と考え、人的資本投資を積極化する。
(すかいらーくホールディングス発表プレスリリースを要約 2月26日)

コロナ禍で苦境に陥った外食産業は賑わいを取り戻しつつある。日本フードサービス協
会によると、2023年のファミリーレストラン市場は22年比117.5%だった。ただコロナ前
の19年比では98.9%にとどまった。コロナ前の水準には戻っていないものの、回復基調に
ある。
24年度の重点施策にすかいらーくホールディングスが発表しているのは、週末売り上げ
の最大化である。最大化を実現させる施策は人員配置の増加で、その効果は検証済みだ。
土日に人員配置を増やした店舗では、土日の客数が7%~30%アップし、実客数が多い店舗ほど効果が出た。
週末配置の強化に向けて、既存クルーの週末への配置替え強化、週末要員の追加採用な
どを実施する方針だ。
さらに同社24年以降は新規出店を加速し、 今後3年間で約300店舗を出店する予定で、
立地の選定方針は、商業集積地区、大都市圏の私鉄沿線駅前、地方都市の駅前、地方中規模都市への複合業態出店を固めている。
M&Aも進め、27年までに3~5件を実施する計画だ。対象は①出店拡大のためのリソースを必要としている既存の飲食店チェーン②優良なコンセプトを持ち、事業拡大を検討している外食スタートアップ企業③同社のインフラを活用することにより事業規模・事業効率を高められる配食事業・中食事業者。新興の優良外食ベンチャーの出口にもなるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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