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介護報酬改定案 職員賃上げで保険料増額 

 2024年度からの介護保険サービスについて、厚生労働省は22日、具体的な内容と料金案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に示した。人手不足が続く介護職員の処遇改善では、24年度に月約7500円、25年度に同6千円を賃上げできるよう報酬を加算する。一方、65歳以上の介護保険料は月額で数百円上がる見通し。各サービスの利用者負担も増える。
 同審議会が近く、武見敬三厚労相に答申する。介護報酬全体の引き上げ幅は1・59%(国費で432億円)。同時に改定される診療報酬「本体」の0・88%増、障害福祉サービス報酬の1・12%増よりも高い。このうち0・98%分を介護職員、0・61%分をその他職員の処遇改善に充てる。  
報酬改定以外にも、光熱水費の基準費用額を増額したり、賃上げ促進税制を活用したりすることで、賃金体系を底上げするベースアップで24年度に2・5%(月7500円相当)、25年度に2・0%(同6千円相当)をめざす。
(朝日新聞デジタル 1月22日)

厚生労働省が1月22日に開いた介護給付費分科会に提案し、了承された介護職員の処遇改善策には「介護現場で働く方々にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう 加算率の引上げを行う」と明記された。
令和6年度介護報酬改定では、介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算」に一本化される。
今回の改定は他産業との賃金格差と賃上げ率格差を埋める目的で大幅なプラス改定になった。ただ、各業界で今春は昨年以上の賃上げ率が設定されそうだ。
政府が22日に春闘に向けて開いた政府・経済界・労働界の各代表による「政労使会議」で、岸田文雄首相は、昨年を上回る賃上げを要請した。介護業界との賃金格差は縮まるどころか、むしろ拡大するかもしれない。
次回の介護報酬改定は3年後だが、プラス改定になるかどうかは不透明で、かりにプラス改定になっても今回並みの改定率に至るだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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