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オートバックスが早期退職優遇制度、募集人数は従業員の約1割

オートバックスセブンは18日、急激な環境変化に対応して競争力を高めるため、早期退職優遇制度を実施すると発表した。対象は2024年3月末時点で満50歳から57歳かつ正社員として勤続10年以上の従業員とした。
募集人数は100人。11月末の従業員数は1053人のため、約1割に相当する募集規模となる。 申請期間は12月20日から24年1月31日で、退職日は3月31日。支援金などの費用は24年3月期決算で特別損失に計上する予定としている。
(ロイター 12月18日)

オートバックスセブンは早期退職者募集の趣旨をこう述べている。
「急激な環境変化に対応し企業競争力を高めるため、社員のリスキリングやキャリア転換を支援するとともに、ライフステージやキャリアビジョンに応じた多様な働き方を支援する人事制度の改革を進めている」
「将来にわたって持続的に成長し続けるためには、人材パフォーマンスの最適化を図る必要があり、その最適化策の一環として、社員の多様なライフプランを支援することを目的 に、早期退職優遇制度を実施する」
 同社は24年3月期の連結最終利益を従来予想の99億円から90億円(前期は72.3億円)へと9.1%下方修正し、増益率が36.8%増から24.3%増に低下する見通しだ。下方修正の要因は、海外連結子会社が運営する全10店舗のうち2店舗の閉鎖により、損失として約9億円を計上する見込みとなったこと。
同社に限らず早期退職を募集するのは余剰人員が生じているからだ。早期退職の目的に「多様なライフプランの支援」は経営陣の本心だろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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