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全医療関係職種の賃金引上げを厚労相に要望 日看協

日本看護協会は11月29 日、チーム医療推進協議会と連名で、武見敬三厚生労働大臣に、医療関係職種の賃金引上げを可能とするための改定率確保に関する要望書を提出した。
医療機関は、公定価格(診療報酬で運営され、諸物価高騰の直撃を受けても価格に 転嫁できず、全産業並の引上げを行いたくてもできない状況である。令和4年度診療報酬 改定では、「看護職員処遇改善評価料」が新設されたが、全体の3分の2にあたる看護職員がなお対象となっていない。
最新のデータ(2022 年度)では、看護職員の離職率が11.8%に上昇しており、特に 20 代、30 代を中心に他産業への興味や転職を希望する声が多い状況にあり、人材流出が懸念される。そこで、看護職員を含むすべての医療関係職種の賃金引上げが可能となるよう 令和 6 年度診療報酬改定で必要な改定率の確保を強く要望しました。
武見厚労相は「全産業より賃金が低いことは理解している」と応じた上で、「この格差を縮めるためにも全産業に合わせて賃上げは必要である」との考えを示した。
(日本看護協協会ニュースリリース 11月29日)

 日本看護協会は「看護職として就業中の求職者の「退職したい理由」では、20代~30代を中心に他産業への転職を希望する声が多く、人材流出が懸念される」を主張している。日看協の「2022年度 ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」で実態を確認しておきたい。
看護職として就業中の求職者が考える退職したい理由」を年齢ごとに集計しているが、全年齢平均の退職理由は多い順に①看護職の他の職場への興味②子育て③結婚④転居⑤勤務時間が長い・超過勤務が多いで、「昇進・昇給・給与に不満」は9位だった。
「昇進・昇給・給与に不満」の順位を年齢別に見ると、24歳以下では15位、25~29歳では6位、30~34歳では8位、34~39歳では9位、40~44歳では9位、45~49歳では8位、50~54歳では14位、55~59歳では10位だった。必ずしも上位とはいえないが、退職理由になっていることは憂慮すべき現状である。
一方、他産業への転職を希望する理由は何か。賃金水準も該当するだろうが、大きな理由かどうかは、この調査ではわからない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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