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『ペルソナ』『真・女神転生』のアトラス、社員の平均年収を15%増

アトラスは2024年4月より、正社員・契約社員に対する報酬制度を改定すると発表した。この改定により、新卒初任給は25万7千円から30万円になり、現社員の平均年収は15%増額されるという。
アトラスは1986年の創業以来、コンピューターゲームをはじめとするデジタルゲーム開発を行ってきたゲーム会社。『真・女神転生』や『ペルソナ』、『世界樹の迷宮』シリーズなど、独創的な作品を世界に向けて発信してきている。
近年では同社が発売するゲームタイトルへの世界的評価が高まっており、今後のさらなるIPの強化と人材市場における競争力を備えるため、2024年4月に向けて大幅な報酬水準の改定を行う形。上述の通り、2024年4月入社の大卒入社の初任給は30万円(内訳 基本給:24万800円 固定残業手当:6万200円)となる。
アトラスでは2023年4月にも平均年収を5%底上げしており、今年の報酬改定と合わせて社員の平均年収は20%増加となる見通しだ。なお、平均年収増加率については正社員・契約社員における平均値を算出しているとのこと。
(電ファミニコゲーマー 11月14日)

ゲーム業界の平均年収は情報サイト「年収ランキング」によると615万円で、全産業平均の458万円に比べてかなり高い水準にある。「ギークリーメディア」が発表した平均年収の上位5社(2023年)は、多い順にスクエア・エニックス・ホールディングス1427万円、バンダイナムコ1205万円、ソニーグループ1084万円、任天堂988万円、ディー・エヌ・エー850万円。
労働者全体の実質賃金が下がっているなかで、わずかな賃上げでは物価高を補えないことから賃上げ幅が大きくなっていくだろう。
外食業界でも賃上げの動きが出ている。焼き肉店「焼肉きんぐ」などを展開する物語コーポレーション(本社豊橋市)は、月給制の正社員計1323名を対象に23年1月支給分より月額1万円を増額する。年俸制社員計86名は対象外。この改定によって大卒初任給は3万円の増額となり、25万2000円に増額される。
賃上げの目的について同社は「生活に関わる様々な費用の上昇から従業員を守り、安心して働くことができる環境の整備や従業員のモチベーション向上および人財の確保と定着」と述べ、初任給の増額は「さらなる理念人財の獲得」と表明した。
賃上げ余力のある企業はどんどん上げてゆくのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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