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最大5000万円の年収提示、日本生命が中途人材の採用強化

日本生命保険が、高度な専門性を持つ中途人材の採用を強化する。企業の合併・買収(M&A)や運用分野で即戦力となる人材を確保するため、個人の能力に応じて最大5000万円程度の年収を提示する。事業の多角化を見据え、優秀な人材を採用する。
 中途人材を採用するチームを新設し、10月下旬から順次募集を始める。海外事業や運用、IT・デジタル分野などでの求人を想定しており、今年度中に15人程度を採用する予定だ。
 年収は、能力や役割に応じて設定する。経営判断も担えると判断した人材には2000万円以上、企業買収や資金調達といった分野で活躍する人材には、5000万円を提示することも検討する。
 デジタル化の進展など、取り巻く環境が変化しており、生え抜き社員だけでは、経営課題に対応できなくなっている。各社は高額の報酬を示し、人材の確保に力を入れている。
(読売新聞オンライン 10月5日)

 最大年収5000万円の求人に応募してくるのは、日本生命で大型案件を成功させ、その実績をもって年収をさらに引き上げてスカウトされるチャンスを狙うのか、あるいは一時的に高給を手にできればよいと割り切るのか。
「IRBANK」によると、日本生命の取締役5人の平均年収は2021年3月期に2440万円。意外に低い印象だが、この中途採用では、最大で取締役の平均年収を2倍以上上回ることになる。
 当然、入社した当日から一挙手一投足が社内の注目の的になる。期待する社員もいれば、お手並み拝見と冷めた目で見る社員もいるだろう。たとえ業務スキルと対人スキルがすぐれていても組織風土に適応できなければ「期待外れ」と評価され、退職せざるを得なくなってゆく。
 採用時にどんな方法でスキルや自社への適応性を見極めるのだろうか。
 そもそも日本生命に年収5000万円に値する社員が15人程度在籍していれば高額な年収を用意して中途採用を行わなくともすむのだが、そんな社員は、外資系金融機関やコンサルティングファームに転職してしまったのかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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