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新卒年収710万円の衝撃─GMO副社長が語る 基準は「総合商社」

インターネットインフラから金融、広告など幅広く事業を手掛けるGMOインターネットグループ(東京・渋谷)が「No.1&STEAM人財採用~新卒年収710万プログラム」と「No.1&STEAM人財採用~地域No.1採用」を実施し、新卒採用での人財投資に力を入れている。  
いずれも新卒採用の人財に高い賃金を確約するもので「新卒年収710万プログラム」は東京本社採用の人財に2年間、年収710万円を確約するものだ。「地域No.1採用」は地域採用に対する施策で、東京採用の710万円には及ばないものの、その採用地域で最高の賃金に設定した。  
既に2023年の採用から実施していて、4月には優秀な人財が入ってきたという。(中略)GMOインターネットグループ副社長で、グループ人財開発を統括する西山裕之さんに話を聞いた。
――「新卒年収710万プログラム」を実施した背景は?  
もともとは新卒に限らず、弊社のグループの給与水準を日本でトップクラスにして、その分、優秀な人財を確保しようじゃないかというところから始まった取り組みです。ベンチマークとして、総合商社レベルまで持っていきたいと考えていました。
(ITmedia ビジネスオンライン 9月23日)

 スタートアップ企業や無名の中小企業で初任給が過剰に高水準だと、怪しげなイメージがつきまとってしまう。実際、新卒1年目から高い目標達成が求められ、未達に終わると2年目の給与は急降下する。
会社は過度な収益至上主義に突っ走り、社員の出入りが激しく、ブラック体質が色濃い。入社してくる社員も新卒・中途を問わず山っ気が多く、およそ利他の精神など持ち合わせていないし、持ちようがない。
 だが、上場企業や外資系コンサルティングファームなど一定のステータスのある会社なら、初任給に高給を提示すれば相応に質の高い人材を確保できる。げんにGMOインターネットグループは秀逸な人材を採用できたという。
 新卒で採用した職種は、研究開発職、ビジネス職、クリエイティブ職で、この記事で
西山裕之副社長は「外資系金融やコンサル、民間の研究機関に進んでいたような、今まで採れなかった層を採用できた」と述べている。
 ただ、公開情報によると、同社の従業員(連結)6021人の平均年齢は35.5歳、平均年収は660万円。特別なスペックを満たす新入社員は上司よりも高給で処遇されることになるが、それだけの成果を出せる人材であると見込まれているようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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