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外国人材受け入れ、86%が必要 自治体「消滅しかねない」危機感

共同通信が全国の自治体首長を対象に行った人口減少問題に関するアンケートで、86%が外国人材の受け入れを推進する必要があると答えたことが16日、分かった。農林水産業や医療介護分野の深刻な人手不足を背景に、地域の労働力や活性化の担い手として欠かせなくなっているためだ。自治体が「消滅しかねない」との危機感を抱く首長は84%に上り、人口減に歯止めがかからず、自治体運営が厳しさを増す状況が浮かんだ。
 調査は全1788自治体(47都道府県と1741市区町村)の首長を対象に7~8月に実施し、94%の1682人から回答を得た。
 外国人材受け入れの推進は、30%が「必要」、56%が「どちらかといえば必要」と回答。「不要」「どちらかといえば不要」は計8%だった。
 都道府県別で受け入れを必要とした首長の割合が90%以上だったのは計16道県で、このうち島根と高知は100%だった。必要とする理由は「医療・介護人材の確保」「1次産業の人手不足」「製造業の人手不足」など労働力として期待する声が多かった。
(東京新聞 9月17日)

コロナ禍で足踏み状態だった外国人介護人材の来日が、昨年から本格的に再開した。たとえば介護分野をみると、在留ルートごとの在留人数は、EPA介護福祉士・候補者は2887人(うち資格取得者822人/2023年8月1日時点)、在留資格「介護」は6284人(22年12月末時点)、技能実習は1万5011人 (22年6月末時点)、特定技能は2万1915人(23年6月末時点)である。
制度の趣旨が人手不足対応である特定技能は19年に施行された制度だが、在留人数の増加が著しく、17年施行の技能実習をゆうに上回った。特定技能には技能実習からの移行が含まれているとみられるが、人数は発表されていない。
この7月には、厚生労働省が「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」の第1回会議を開き、3つの検討事項が提示した。
第1に、訪問系サービスなどへの従事について。 訪問系サービスでは、技能実習「介護」、特定技能「介護」など外国人介護人材の従事が認められていないが、このことをどう考えるか。
第2に、事業所開設後3年要件について。技能実習「介護」の受け入れは、経営が一定程度安定している事業所として、設立後3年を経過している事業所が対象となっているが、この要件をどう考えるか。
第3に、技能実習介護等の人員配置基準について。技能実習「介護」等は就労開始後6か月を経過しないと介護施設の人員配置基準に算定されないが、 このことをどう考えるか。
 外国人介護人材の確保は国内の介護人材不足を補える水準には至らないが、事業所によっては戦力として活躍している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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