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独自 イトーヨーカ堂 2500人規模リストラへ

セブン&アイ・ホールディングスが、傘下の総合スーパー・イトーヨーカ堂について、大規模な人員削減を計画していることがテレビ東京の取材で分かった。その柱は、人件費240億円カット、2500人規模の人員削減で、イトーヨーカ堂単体の従業員約2万4000人(2023年2月時点)のうち、1割超が削減される大規模なものとなる。
複数の関係者によると、14日に開かれたセブン&アイグループの経営幹部が集まる会議で、イトーヨーカ堂の山本哲也社長がリストラ案を説明した。セブン&アイHDの井阪隆一社長も参加した。会議の場では別の幹部から、そごう・西武の売却をめぐって労働組合側と対立したことを踏まえ、今後の人員削減の進め方について「百貨店と同じ轍を踏んではいけない」との発言もあったという。会社側は人員削減について労働組合にはまだ説明しておらず、今後、厳しい労使交渉となる可能性がある。
セブン&アイHDはイトーヨーカ堂の店舗のリストラを進めており、国内店舗数を今後3年で2割超削減する方針を3月に発表している。
(テレ東BIZ 9月15日)

そごう・西武の売却後にセブン&アイグループで雇用の一部を受け入れる案も示されていると報道されたが、セブン&アイがグループ内の大幅人員削減を実施するのに、売却した会社の社員の雇用を受け入れるのだろうか。
そんな余裕があれば、イトーヨーカ堂の人員削減を計画するはずがない。そごう・西武労働組合も、セブン&アイが提示した雇用引き受け案は、口頭で伝えられた努力目標に過ぎないと受け止めているはずだ。
イトーヨーカ堂の人員削減計画が浮上したことで、雇用確保に向けた交渉の相手はフォートレス・インベストメント・グループに絞られるのだろうが、いずれヨドバシカメラが雇用の受け皿を用意する案が提示されるかもしれない。
百貨店の従業員が家電量販店への転籍を受け入れるかどうか。プライドを優先させるのか、当面の安定収入を優先さるのかは難しい選択だが、さすがに売却を反対した相手側への転籍は拒む人が多いと思う。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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