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総合職でも転勤なら「50万円」支給 三菱UFJ信託銀行

三菱UFJ信託銀行は10月、引っ越しを伴う転勤者に一律で50万円を一時金として支給する新制度を導入する。全国転勤が前提とされてきた総合職の約4500人が対象で、大手行では極めて異例の手当となる。近年は辞令による転居に抵抗感を持つ若手社員が増え、人手不足で採用の「売り手市場」も強まっている。離職を防ぐためにも手当の拡充が必要と判断した。
 転居時の住環境を整えるために支給してきた手当とは別に、異動後の賞与に50万円(課税対象)を上乗せする。10月以降の転勤者だけでなく、条件を満たせば今年4~9月の異動にも遡って適用する。
 三菱UFJ信託銀は国内に51拠点あり、転居を伴う異動は年に約200人いるという。子育てや介護などの事情を抱える社員にも配慮し、単身赴任者の家族宅への交通費補助も半年に24回分と従来の2倍に増やす。
 金融大手の総合職は全国への転勤を前提に採用されてきたが、人材の獲得競争が激しくなる中、近年は本人の同意のない転勤をやめる保険大手なども出ていた。
(読売新聞オンライン 8月21日)

 改めて会社員の多くが転勤を望んでいない現状が示された。「転勤をきっかけに退職した社員がいた」という回答が56.8%――アート引越センターのシンクタンク「0123引越文化研究所」が、従業員規模300人以上の企業で、総務・人事など転勤に関わる業務に携わっている会社員322名に対し、自社の転勤(引越の伴う人事異動)に関する調査結果を今年1月に発表した。
 調査では「転勤制度の有無は自社の採用活動に影響がある」と感じているという回答が51.5%を占めた。赴任手当の支給平均額は単身世帯は約9.3万円、家族世帯は約13.1万円。
引越費用の支給平均額は単身引越は約11.4万円、家族引越は約17.3万円だった。
しかし、いまや手当額の問題ではなく、転勤を繰り返して昇進をめざすよりも、生活拠点の安定を優先する流れにある。
 ただ、今後も転勤者数も増加傾向にあるという。今後の転勤者数の増減について「増える見込み」は計22.0%と増加傾向を示した。この問題は、転勤を理由とした退職や、転勤が採用のハードルになるという実態がさらに顕著になれば、産業界全体で抜本的な見直しに入るだろうが、それまでは微調整がつづきそうだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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