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地元戻り就職「Uターン」に移住支援金

政府は進学を機に上京した地方出身者の「Uターン」を支援する。東京23区の大学などを卒業した地方出身者が地元で就職した場合、移住支援金の支給対象に加える方針だ。人口の東京一極集中を是正する狙いがある。
2024年度予算案の概算要求に盛り込む見込みで、具体的な金額や対象者の範囲は詰める。いまの移住支援金は主に社会人の利用を想定する。単身の場合は最大60万円を支給する。
大学は主に大都市部に集中しており、卒業後も就職で大都市部にとどまる傾向がある。移住支援金の枠組みをUターンする新卒者にも適用し、地方へ人の流れをつくるきっかけにする。
 移住支援金は東京23区の支援者や近県から23区に通勤している人などを対象に、①移住して地域の中小企業へ就業②テレワークで移住前の仕事を継続③移住先の地域で起業――のいずれかの条件を満たせば給付してきた。
 条件の拡大とは別に、支払いを迅速化する。転入から3カ月以上たたないと受給を申請できないルールを撤廃した。
(日本経済新聞)

 若年層の地方移住を促進する策には、移住支援金のほかに、地方公共団体が運用する奨学金返還支援がある。この仕組みを主導しているのは内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局。地方企業への若者の就職を促進し、地方定着に有効な施策と位置づけている。
2022年6月1日現在で、36都府県、615市区町村が奨学金返還支援に取り組んでいる。
前年に比べて3都県128市区町村が増え、3割強の市区町村に取組の実施が広がっている。
奨学金返還支援者数は年々増加傾向にある。21年度に新たに奨学金返還支援を開始した人数は9716人で、 前年比で2451人増加した。
申請要件を見ると、各地方公共団体が域内での就業を要件としていた団体が多い。地方公共団体が実施する制度の趣旨に賛同した企業や、地方公共団体が当該地域の実情に応じて定めた特定の業種等に絞って支援している団体も一定数あるという。
こうした実態を踏まえて内閣官房は「各地方公共団体が地元産業界と連携して人材の確保に努めていることが伺える」と評価している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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