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NTT系ラグビーチーム、社員選手にキャリア教育

NTTコミュニケーションズ(NTTコム)はラグビー・リーグワン2部の「浦安D-Rocks」に所属する現役の社員選手とOBを対象にしたセカンドキャリア教育を始めた。引退後の人生設計に悩む社会人アスリートは多く、キャリアコンサルタントによる面談などを通じて理想の将来像を考え準備を進められるようにする。
(中略)
 ラグビー選手として活躍できるのは長くても30歳代後半までとされ、社員選手は引退後にビジネスパーソンとして過ごす時間の方が長い。コーチや解説者など競技経験を直接生かせる仕事の枠は狭く、引退後どうしていいか分からなくなってしまうケースが少なくない。一方で、厳しい競争のなかで課題に向き合い解決してきたというアスリートの潜在能力の高さを指摘する意見も多く、浅井氏(筆者注・NTTコム人材・組織開発部門キャリアコンサルティング・ディレクターの浅井公一氏)は「培ってきたスキルはビジネスの場でも生かせる」とする。
(日本経済新聞 7月27日)

 教育事業に携わる全日本クラスの元柔道選手に競技経験はビジネスに活かせるのかどうかを尋ねたときに、興味深い答えが返ってきた。
「どの競技でも全日本クラスの実績を残す人は、長年PDCAサイクルを廻してきた。PDCAという言葉は知らなくでも、習慣として身につけて、日頃から実践している。そうでないと全日本クラスにまで駆け上がることはできない」
 競技経験者も上級になればビジネスの資質を体得している。活力やメンタルなどいわゆる体育会系の要素ではなく、思考と実践のフレームワークをビジネスに投入する道筋をつければよい。
 さらに状況が激変する現場での意思決定のフレームワークである「OODA(ウーダ)ループ」も競技者は体得しているのではないだろうか。OODAループとは「Observe(観察する)」「Orient(方向づける)」「Decide(決断する)」「Act(実行)」の頭文字。
作戦の立案や変更に必要なフレームワークで、PDCAと同様にOODAループという言葉を知らなくとも、試合ごとに実践しているはずだ。ビジネス現場でも活用できる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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