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「仕事に熱意」日本5%

米ギャラップが13日まとめた「グローバル職場環境調査」によると、仕事への熱意や職場への愛着を示す社員の割合が日本は2022年で5%にとどまった。サンプル数が少なくデータがない国を除けば、調査した145カ国の中でイタリアと並び最も低かった。4年連続の横ばいで、世界最低水準が続いている。
世界平均は23%と21年比2ポイント上昇し、09年に調査を始めて以降最高となった。調査した「従業員エンゲージメン.ト」は働きがいを構成する主要な指標で、数字が高いと社員がより主体的に仕事に打ち込んでいることを示す。企業の業績や生産性、離職率などに影響を与えるとして投資家からの注目度も高い。主要国で伸びが目立ったのがインドで、33%と7ポイント上昇した。(日本経済新聞 6月15日)

リンクアンドモチベーションのモチベーションエンジニアリング研究所が実施した「2022年従業員エンゲージメント実態調査」には、業界ごとにエンゲージメントの特徴が報告されている。エンゲージメントスコアが高い業界は「広告・情報通信サービス」「消費者サービス」「不動産」、低い業界は 「機械・電気製品」「素材・素材加工品」「建設」という。
機械・電気製品業界をピックアップすると、エンゲージメントに関する強みは、会社の影響力や知名度、理念の発信や浸透、労働時間や働き方等の待遇。弱みは、人の魅力、 上司からの行動指針の提示や毅然とした態度、顧客ニーズの理解や期待を上回る対応。
そのうえで「この業界は消費者向けの製品を扱っている企業も多く世の中的な知名度が高まりやすいことや、 社会的な価値提供の方向性を発信していること、 働き方改革が進んでいることなどが強みの要因となっている」と解析。さらに「製品力・生産力が競争優位となりうるため、 相対的に人材やマネジメントへの投資が不足している可能性や、プロダクトアウト的なビジネスが多く顧客や市場に対する視点が弱くなっている可能性がある」と問題点を指摘している。
従業員エンゲージメント向上においては「世の中の変化の速さに対応するべく、 改めて人材の個性の発揮やマネジメントの育成が求められる」と提言している。エンゲージメントは事業モデルにも由来するようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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