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山梨県内企業、夏ボーナス増額18.6% 山梨中央銀行調べ

山梨中央銀行が31日まとめた山梨県内企業の2023年夏のボーナス支給見通し調査によると1年前より「増額」と答えた企業は18.6%で、22年夏の調査より5.4ポイント増加した。「減額」は5.9%で22年夏から1.4ポイント減った。「増額」から「減額」を引いたボーナスDIは12.7となり、9年ぶりに2ケタのプラスとなった。
調査を担当した山梨中銀経営コンサルティングは「社会全体の賃上げムードの高まりや人手不足による雇用面での待遇改善の必要性が反映された」と分析した。
調査は4月上旬、県内の中堅・中小企業352社を対象に実施し、312社から回答を得た。
製造業は「増額」が14.4%(22年夏は14.2%)、「減額」が10.6%(同7.1%)で、ボーナスDIは3.8(同7.1)と3.3ポイント低下した。景況感が悪化している電気機械、生産用機械、汎用・業務用機械などはDIがマイナスだった。
一方、非製造業は「増額」が23.1%(同12.1%)、「減額」が0.7%(同7.4%)で、ボーナスDIは22.4(同4.7)と17.7ポイント上昇した。観光需要の回復を背景にホテル・旅館、レジャー、運輸、サービスに「増額」とする企業が増えている。
(日本経済新聞 6月1日)

 夏の賞与が前年並みにとどまれば、今春の賃上げに水を差すようなムードになってしまう。まして物価高はつづいている。夏の賞与に限らず冬の賞与も増額に向かうだろう。
 増額しないと会社員の小遣いも増えず、物価高でフトコロは圧迫されていく。SBI新生銀行の「2022年会社員お小遣い調査」によると、男性会社員の月額平均お小遣い額は3万8642円。前年比68円の減少で、近年は増加と減少を繰り返し、金額で大きな変化は見られないという。
 一方、女性会社員のお小遣い額は、昨年より1120円減少して3万3278円。男女とも同等の水準だ。
この金額で昼食代は、男性が1日あたり649円(前年比26円減少)、女性が656円(66円増加)。飲食店が軒並み値上げしているなかで、毎日が外食をするとこの昼食代では厳しい。そのためか男女とも弁当持参の割合が最も高く、男性は33.9%, 女性は半数を上回って52.0%だった。
当然、外での飲み代は減って、男性は月1万1495円、女性は8429円。外で飲む回数は月2回程度で、家飲みが増えたのだろう。
 物価高を踏まえて賞与もテコ入れしないと、個人消費はどんどん縮んでいく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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