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みずほ銀、「人的資本」高評価企業に融資 第一弾はIHI

みずほ銀行は企業の人的資本経営における取り組みを評価し、高い格付けを取得した企業に融資する新たな枠組みを始める。みずほリサーチ&テクノロジーズが融資先の人材育成や多様性について5段階でスコアを付ける。融資後も定期的なモニタリングを通じて企業の人的資本経営に向けた取り組みを後押しする。
第1弾としてIHIと30日に融資契約を結ぶ。同社の人材育成プログラムや育成実績の開示を評価した。金利の優遇はないが、融資を受けた企業は人的資本経営に関する取り組みを外部にアピールできる。資金の使い道は限定しない。
上場企業は2023年3月期の有価証券報告書から人的資本の開示が義務付けられる。みずほリサーチ&テクノロジーズは政府が22年8月に公表した「人的資本可視化指針」などに沿って企業の開示状況や人材戦略の取り組みを分析する。スコアは「AA」に加えて「A」~「D」の5段階。「AA」と「A」の企業に融資する。
(日本経済新聞 5月30日)

みずほ銀行が取り扱いを開始する融資商品は「Mizuho人的資本経営インパクトファイナンス」。
みずほリサーチ&テクノロジーズが評価の対象にするのは、姿勢に関する評価として経営者コミットメント。施策に関する評価として、育成、エンゲージメント、流動性、ダイバーシティ、健康・安全、労働慣行/コンプライアンス。さらに体制に関する評価としてガバナンス。この8領域である。
SDGsの路線にどれだけ合致しているかが問われるのだろか。
 第一弾の融資先に決まったIHIは、次のように報告している。
 「みずほ銀行およびみずほリサーチ&テクノロジーズから,IHIは「人材こそが最大かつ唯一の財産である」という経営理念のもと,経営者による人的資本経営へのコミットメントを始め,独自の体系的な人材育成プログラム(キャリア形成支援,自律・選択型)の取り組みや育成事業における経年実績開示等において高い水準を満たしているとの評価を受けました」
 IHIは「グループ経営方針2023」に「事業・企業体質の変革を成し遂げる変革人財の育成と獲得」として①グローバルレベルの専門性、マネジメント力の獲得と企業文化としての定着化(全従業員にリスキリングの機会を提供)②エンゲージメントとウェルビーイング向上に向けた施策の展開(自律的キャリア形成を支援)――を記載している。
 みずほリサーチの評価領域と重ねる要素はエンゲージメントである。経営のキーワードになって久しいが、今後ますます問われてくる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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