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300社の役員比率など開示 「なでしこ」銘柄基準刷新

経済産業省と東京証券取引所は、女性が活躍する上場企業「なでしこ銘柄」の基準を刷新した。応募企業のうち同意のあった約300社について、役員や管理職に占める女性の割合など14種類のデータの開示を始める。昇進比率の男女差など非開示の調査項目も増やした。企業の実態をより正確につかめる指標として投資判断に役立てやすくする狙いだ。
なでしこ銘柄の基準を大きく変えるのは選定を始めた2012年度以来初めて。データは22日にも開示する。
 22年度は自動車や小売り、銀行といった17業種17社を選んだ。女性活躍の取り組みと経営戦略や事業成果の結びつきなども評価した。
 今回から課長や執行役員への昇進比率の男女格差などを項目に加えた。子育て中の女性が昇進・昇格から遠ざかる「マミートラック」に陥っていないか、男女の昇進度合いの差を聞いた。
(日本経済新聞 3月21日)

 なでしことは、なでるように可愛がっている子を意味する。女性活躍を評価する株式銘柄にふさわしい言葉かどうかはともかく、なでしこ銘柄は優良銘柄を表す基準のひとつである。
 2022年度のなでしこ銘柄に選定された17社は、味の素、出光興産、LIXIL、資生堂、大塚ホールディングス、アイシン、古河電気工業、小松製作所、富士通、メンバーズ、東京瓦斯、商船三井、双日、丸井グループ、千葉銀行、SOMPOホールディングス、三井不動産。
 選定基準の大枠は①トップマネジメントのコミットメント② 経営戦略と人材戦略(女性活躍推進)の関連付け③自社の経営戦略を踏まえた、適切な指標・目標値の設定④自社の状況・課題に即した取組みの実施⑤企業価値向上への 寄与⑥情報開示の考え方と状況。
 健康経営銘柄と同様に、なでしこ銘柄の選出は、時代の要請に応じていることのお墨付きである。
22年度のなでしこ銘柄には312社が応募した。応募企業全体については「女性取締役比率(14.8%)と女性社内取締役比率(4.5%)の差が大きいことから、取締役比率の高さは、 社外取締役による部分が大きく、社内で昇進した女性はまだまだ少ない」「多くの業種で、正社員、係長相当、管理職、執行役員、社内取締役に昇進にするにつれ、女性の割合が下がっている」などの課題が指摘された。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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