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クックパッド、80人の希望退職者を募集 海外レシピサービス事業が対象

クックパッドは3月10日、海外レシピサービス事業に従事する社員を対象に希望退職者を募集すると発表した。削減人数は80人を予定している。
同社は2014年1月から海外レシピサービスを提供してきた。22年12月末時点で、73カ国、31言語(日本語を除く)で展開していたものの、同社の注力事業の再検討に伴いサービスの運営体制を見直すこととなった。  
22年12月末時点の同社の連結従業員数は409人。そのうち、同サービス運営に従事する社員は約130人となる。同社は人員整理について「本合理化実施により発生する特別退職金により相応の営業損失の発生が見込まれるが、退職予定日以降は人件費の合理化が実現する予定」としている。  
希望退職者の募集期間は23年3月12日~4月6日で、退職予定日は23年5月末を予定。退職者には特別退職金を支給するとしている。
(ITmediaビジネスオンライン 3月13日)

賃上げのニュースがつづく日々にあって不景気なニュースだ。クックパッドは今年2~3月にも、国内事業で希望退職者を募集して、46人の応募があった。今回の希望退職募集は今年2回目である。
同社は希望退職募集の背景についてこう説明している。
「展開国及び言語の拡充がなされ、世界中でグローバルレシピプラットフォームの利用者が増える中で、毎日の料理を楽しみにするために当社が注力すべき事項について、国や地域の文化的背景を考慮して、より慎重に検討していく必要があると考えるに至りました」
そのために運営体制を見直すと述べているが、下記の説明ではわかりにくい。
「グローバルレシピプラットフォームの運営体制を見直し、レシピサービスの提供価値を再構築することにしました。 つきましては、グローバルプラットフォームの運営に従事する者が所属している当社の海外子会社において、人員削減を行うことを決定しました」
 要は運営体制を強化するためにコストダウンが必要になり、余剰人員の削減を判断したのだろう。ただ、できるだけマイナス要素を薄めるのがニュースリリースの定石である。希望退職募集のニュースリリースを読むたびに(本当の理由は何か?)と訝しがってしまう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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