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1月の有効求人倍率1・35倍、転職増で低下 失業率は2・4%に改善

厚生労働省が3日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・01ポイント低下の1・35倍だった。令和2年8月以来、2年5カ月ぶりに下がった。厚労省は、社会経済活動が回復しつつある中、賃金や労働条件がより良い仕事に転職しようと職を探す人が増えたことが要因としている。
総務省が発表した今年1月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・1ポイント減の2・4%だった。2カ月ぶりに改善した。
有効求人倍率は求職者1人当たりの求人数を表す。1月は求職者が小幅に増えたのに対し、求人数は微減となった。
新規の求人数を主要産業別で見ると、観光や外食の需要回復を受けて宿泊・飲食サービス業が前年同月比27・0%増。一方、建設業は5・4%減、製造業は4・0%減となった。厚労省の担当者は「人手不足ではあるものの、原材料価格の高騰で収益が圧迫され、求人を控える動きがある」と説明した。
(産経新聞 3月3日)

いまの学生には在学中に、つまり新卒入社もしていないうちに早くも転職計画を立てている人が少なくないという。求人が増えれば転職も増えるのは自然な現象だ。
転職の増加はレバレジーズが発表した「若者しごと白書2023」にも現われている。同書によると、20代の3割近い正社員が転職活動を行っている。
転職活動をしている正社員割合は、21~23歳が28% 24~26歳が29・1%、27~29歳 が30・2%。転職活動をはじめたきっかけは、多い順に「給与が低い」(40・2%)「やりがい・達成感がない」(24・5%)「人間関係が悪い」(16・5%)だった。
今春の賃上げは勤め人の明暗を分ける。大幅に賃上げされるのが当然というムードに湧くなかで、賃上げを実施できない企業は、20代社員の退職が相次ぐことを想定しなければならないかもしれない。
一方、やりがいは人によって異なるが、同白書では「人の役に立つこと」(17・2%)「給与が上がること」(14・4%)「自分の成長を感じられること」(9・2%)「興味のある仕事ができること」(6・9%)という回答だった。
20代の正社員は給与水準が高く、人の役に立てる仕事を望んでいるようだが、この傾向は昔も同じだった。バブル期も誰もが浮かれていたわけではなく、多くの給与所得者は地味な毎日を送っていた。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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