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40~50代の転職、増加傾向 即戦力、紹介サービス多様に

40~50代を中心とした中高年世代の転職が増加傾向にあり、転職者全体に占める割合も上昇している。
人手不足にあえぐ企業側が即戦力になる管理職や技術者を求めていることに加え、コロナ禍で人生を見つめ直す中高年が増えたことも一因だ。定説となっていた「35歳転職限界説」を覆し、両者をマッチングさせる人材紹介サービスも多様化している。  
中部地方のメーカーに勤める男性(51)は昨年、人生初の転職に踏み切った。当初転職するつもりはなかったが、ヘッドハンティングを手掛けるプロフェッショナルバンク(東京)が数年前からアプローチ。会社の人事に不満を抱いたことをきっかけに、誘いに乗った。「アプローチがなければ転職という発想はなかった」と話す。  
プロフェッショナルバンクは顧客企業が求める人材を転職意向のない層から発掘するのを得意とする。高本尊通常務は「コロナ禍からの経済回復で人材の奪い合いとなっており、採用年齢は広がっている。特に経理や人事のような専門職は年齢を問わない企業も多い」と話す。(時事通信 2月12日)

40代後半に入れば定年までどう働くか、50代に入れば定年後にどう過ごすのか。キャリアアップよりも、職業人生の残存期間の消化方法に関心が向いていく。
職業人生が60歳までなら、つつがなく過ごすことに徹すればよいのだが、いまや65歳まで働くのが普通になった。40~50代がキャリアアップを考え、続々と転職に踏み切ることも不思議ではない。法務や内部監査などは経験の蓄積が有利に働く職種なので、ガバナンス強化に向けてベテラン層の需要が拡大するだろう。
40~50代の転職がさらに増加すれば、ひと頃話題になったプロ経営者ならぬプロ管理職が話題になるかもしれないが、ともかくミスマッチにならないことを願う。
この数年、いろいろな調査をみると70歳までフルタイムで働き、70歳を過ぎてからは週に2~3日にペースダウンして働きたい。そんな意向が高まっているようだ。
国の意向は、できるだけ公的年金の支給時期を遅らせるために「社会参加による健康寿命の延伸」などを大義名分にして、75歳まで働かせたいのだろう。そのためのインセンティブを個人にも雇用主にも手を変え品を変え付与していくはずだ。第一線で働く多くの分野の高齢者を取り上げ、生涯現役を促す情報作戦も打っていく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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