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転職重ねるギグワーカー「仕事で自己実現」切り開く

転職を重ねるのは「仕事は自己実現の場」という思いの表れでもある。仕事に対する情熱が人一倍であるがゆえに、今の職場で目的を達成できないと判断すれば離職もいとわない。事業企画単位で職を変える尾原さんは自身を「プロジェクトワーカー」と称している。
人材業界では近年、キャリア形成やスキルアップで一貫性のある転職を「ピボット転職」と呼ぶようになってきた。軸足を動かさず体の向きを変える、バスケットボールのテクニックが由来だ。転職サービス「doda(デューダ)」の大浦征也編集長は「一貫性があったりキャリアを自律的に切り開いたりしている人材が歓迎される時代になってきた」と話す。
総務省の労働力調査によると、日本の転職者数は19年に過去最高の351万人を記録した。新型コロナウイルス感染拡大で安定志向が高まり21年は288万人まで減少したが、就業者の4割程度は転職を希望しているとの調査もある。今後、再び転職が活発になる可能性がある。(日本経済新聞 1月26日)

 かつて「自分探し」と称して脈絡のない転職を繰り返す人は“渡り鳥”と呼ばれ、転職するたびに市場価値がどんどん下がっていった。たとえ同じ業種や職種の転職でも、回数が多いと「何かあるとすぐに辞めてしまうだろう」と見られ、選考時の評価は低かった。
 おそらく、いまでも事情はさほど変わらないのでないのか。「どこに就職しても満足に務まらない人だ」と。
一方、MBAホルダーで外資系企業の幹部職を渡り歩く人は、傍目には“華々しいキャリア”だが、多くの場合、スカウトされて転職を重ねたのではなく人材紹介会社の仲介であったことから、紹介会社の間で“出回り物件”と呼ばれる時代もあったそうだ。
次々に高給で転職できたのは、よほど企業への紹介が上手だったのか、それとも本人に期待感を抱かせる魅力があったのか。
当然、転職のあり方は時代とともに移り変わる。いまや「ピボット転職」として転職を重ねる動きが出ているという。まだ転職人口のわずかな層だろうが、ジョブ型雇用が普及すればピボット転職は増えるだろう。プロジェクト要員として転職し、プロジェクトが完了すれば、その実績をもって次の職場に転職する。業務委託に類似した就業形態である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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