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外食、年末年始の待遇改善 経済再開で人手不足

外食各社が年末年始のパート・アルバイト待遇を例年より手厚くする。コロワイド傘下のレインズインターナショナルは長い時間働くほど特別手当が増える仕組みを導入する。ドミノ・ピザジャパンは働きがいにつながる特典を用意する。年末年始は繁忙期のために従来から時給を上げる企業が多かったが、経済再開で人手不足感が強まっている。待遇改善で人手の確保につなげる。
レインズインターナショナルは12月31日~2023年1月3日の間、「しゃぶしゃぶ温野菜」などで人手が特に好き内店舗のパート・アルバイトに特別手当を支給する。国内直営店約430店舗のうち約180店が対象だ。1日あたり3時間以上での勤務で1000円、5時間以上の勤務で1500円、7時間以上の勤務で2000円の手当を支給する。
新型コロナウイルス禍前の18年も同様の取り組みを実施したが、対象店舗は今回の半分で、手当も1日あたり一律1000円の支給だった。今回はより長く働くと手当が厚くなる仕組みにして働き手の意欲を高める。
(日本経済新聞 12月25日)

 コロナ感染が飛沫や接触ではなく空気感染であることが報告され、政府も行動制限を実施しなかったことで、外食市場は回復に向かいつつあるようだ。
2022年12月の忘年会も前年より増える見通しが発表された。
ホットペッパーグルメ外食総研が首都・関西・東海の3圏で実施した調査によると、22年12月~23年1月の忘・新年会で、1回当たりの想定予算額は前年比258円増の4526円。最も多かったのは「5000~6000円未満」(34.1%)で、この価格帯の割合は過去最高となった。物価高騰を受けて値上げを想定していることが反映されている。
忘・新年会の参加回数の見込みは「昨年度より大きく増えそう」と「昨年度よりやや増えそう」が計20.6%、「昨年度より大きく減りそう」「昨年度よりやや減りそう」が計1.3%。増加が減少を大きく上回り、回復傾向が顕著に現われている。
 1回当たりの予算額は、「5000~6000円未満」(34.1%)が最も多く、過去調査での同価格帯の割合と比べると、最も高い割合を示した。
コロナ禍で大幅に人員を削減した飲食店は慌てて採用しなければ、繁忙期に対応できない。ただ待遇を改善したところで、解雇リスクを懸念して、どれだけのパート・アルバイトが飲食店に向かうだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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