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専門人材、採用日程を弾力化 26年春入社 政府検討

政府は30日、2026年春に入社する現在の大学1年生の就職活動について、専門性が高い人材の採用日程の弾力化を検討すると発表した。  
デジタル関連など専門知識を求められる分野では、企業による人材獲得競争が激しさを増している。今後、経済界や大学の関係者を交え、日程弾力化の具体案や対象とする人材の範囲などを協議し、来年秋ごろまでに結論を出す。  
現行ルールでは、広報活動は大学3年生の3月以降、面接などの採用選考活動は4年生の6月以降にそれぞれ始め、正式な内定日は4年生の10月以降。30日に開いた関係省庁連絡会議で、専門人材についてはこのルールを見直す検討に入る方針を決めた。企業が採用手法を多様化できる一方、就活の一段の早期化にもつながりかねず、調整が難航する可能性もある。  
25年春に入社する現在の2年生については、現行ルールを維持することを決定。来年3月末をめどに、経済界に対して順守を要請する。(時事通信 12月1日)

専門人材の採用日程を弾力化する措置は外資系対策だろう。
NTTのIT人材はGAFA予備軍になっているというが、同様にメガバンクや大手証券会社の社員も外資系金融機関の予備軍だ。このあり方は好ましくないのだろうか。
すでに野球選手もサッカー選手も日本でのプロ経験を経て、本場に挑戦して世界基準の選手に飛躍することが当たり前の時代である。報道を見聞きする限り、いまどき本場での挑戦を引き留める日本チームは見当たらない。
チーム事情を理由に引き留めたら、本人のキャリア形成を妨害したと世間は受け止め、批判の的になりかねない。
有能な人材がハイリスク・ハイリターンを覚悟のうえで、より高いレベルの職場に流れ行くのは経済原則のようなもので、抗いようがない。世界中の優秀な人材が履歴書を送ってくるような会社をめざせばよいのだが、人件費が暴騰するだろうから現実的でない。
一方、外資系出身者がどんどん転職してくるような会社をめざそうとすれば、外資系とは対照的なメンバーシップ型雇用で年功序列が望まれるだろうから、これも現実的ではない。
現状では、外資系への人材輩出機関として割り切った人事運営に向かわざるを得ないのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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