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みずほFGの主要5社、「年功序列型」を実質廃止へ

みずほフィナンシャルグループ(FG)は21日、傘下の銀行や証券など主要5社で統一した人事制度に移行すると発表した。年功序列型の給与体系を実質的に廃止し、個人の能力がより反映される仕組みとする。企業年金は、個人の運用実績により給付額が変わる企業型確定拠出年金(DC)に一本化する。
 労使間協議を経て、2024年4月から完全移行する見通しだ。
 新たな人事制度では、給与の決定要素を各人が担っている業務に応じて決まる「役割給」に一本化する。これまでは年齢などが加味された「分かりにくい制度」(みずほFGの人事担当)だった。(読売新聞オンライン 11月21日)

みずほフィナンシャルグループは新人事の骨子について① 社員の挑戦を支える〈みずほ〉の幅広いフィールドを活かしたキャリアメイクや、専門領域を深めるキャリア開発の支援 ② 社員の貢献が報われる 社員一人ひとりが担う「役割」の違いや、個人の「成果」に応える納得感の高い処遇運営 ③ 社員が働きやすさを感じる時代の変化を捉えた柔軟な働き方の実現、社員の健康増進と職場環境の改善――を挙げている。
さらに新人事に関連して「〈みずほ〉の幅広いフィールドを活かしたキャリアメイク、 専門領域を深めるキャリア開発の支援 • アップスキリング・リスキリングへの投資を強化」「担う役割で変わる、挑戦が報われる役割給 • 個人の成果をシャープに反映する賞与 • 自分のライフスタイルにあわせた退職金・年金」を重点項目に示した。
 年功序列の廃止は時代の要請として理解していても、年長者にとって年功序列は既得権益として心身に沁みついている。いざ実施されたら戸惑うが、いまの地位を保持するためには業務成績で下の世代に勝つ以外にない。
 50代以上の“働かないおじさん”とレッテルを貼られやすい層については、リスキリングで往時の活力をよみがえらせる取り組みが進められている。どれだけの割合で活力を取り戻せるかはともかく、リスキリングには、50代以上をふるいにかけるリストラの仕掛けという一面も潜んでいる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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