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ロックス、コンプラ違反を点検 転職希望者SNS言動も

転職希望者の前職調査(リファレンスチェック)を手掛けるROXX(ロックス、東京・新宿)は第三者割当増資で約10億円を調達した。11月中をめどに、引き合いが強いコンプライアンス(法令順守)点検を独立したサービスとして提供を始める。現在は他のサービスとセットだが、顧客企業の使い勝手を高める。
転職希望者の同意を得たうえで、複数の調査会社と連携し、犯罪歴や反社会勢力との関りなどをチェックする。金融機関などの需要が強いという。SNS(交流サイト)での言動も調べる。
リファレンスチェックは欧米で先行して根付いており、日本でも活用が広がると見ている。第三者割当増資はベンチャーキャピタル(VC)のOne Capitalやグローバル・ブレインなどが引き受けた。(日本経済新聞 11月2日)

 厚生労働省は就職差別の防止に備えて、下記について応募用紙に記載させたり面接で尋ねることに注意を喚起している。
まず本人に責任のない事項の把握として①本籍・出生地に関すること ②家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)③住宅状況に関すること④
生活環境・家庭環境などに関すること。さらに本来自由であるべき事項として⑤宗教に関すること⑥支持政党に関すること⑦人生観、生活信条に関すること⑧尊敬する人物に関すること⑨思想に関すること⑩労働組合に関する情報⑪学生運動など社会運動に関すること
⑫購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること。
身元調査などの実施 や、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施にも配慮を求めている。
このガイドラインを踏まえてリファレンスチェックは行われるので、本人も同意しやすいのではないか。
 中途採用では、職務経歴書と面接だけではスキルを見極めにくい。スキルの裏付けは前職での実績だが、これは自己申告では把握できない。裏を取る必要がある。リファレンスチェックが求められる所以だ。
エン・ジャパンが2021年に実施した調査(有効回答303社)によると、リファレンスチェックの認知率は外資系企業93%、日系企業73%。リファレンスチェックの実施率は外資系企業58%、日系企業23%で、7割の企業が「リファレンスチェックの回答内容が採用の判断に影響する」と答えている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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