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1兆円のリスキリング支援策、ITの関係者全員で利用しよう

10月4日に開かれた「新しい資本主義実現会議(第10回)」に提出された『「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(案)』に次のように書いてある。
 「①労働者に成長性のある新たな企業・産業への転職の機会を与える、企業間・産業間の失業なき労働移動の円滑化、②他の企業・産業でも通用するスキルの高い人材を育てるリスキリングのための人への投資、③そしてこれらを背景にして労働生産性を上昇させることによる構造的な賃金引上げの3つ子の課題を同時解決する」
 作文に関するリスキリングが必要だ、と言いたくなる文章だが、要するに「スキルの高い人材を育て」「成長性のある新たな企業・産業」に転職させれば「労働生産性を上昇」でき、「構造的な賃金引上げ」につながる、という理屈である。課題、対策、背景の因果関係がよく分からないし、「同時解決」という離れ業がどうしてできるのか、まだ納得できない。だがそう思うのはやはりひねくれているからだろう。(日経XTECH 10月20日)

リスキリングはコンサルティング会社にビジネスチャンスになりそうだ。いろいろな動きがある。
 たとえばパーソルテクノロジースタッフとPwCコンサルティングは、継続的なリスキリング・アップスキリングを促進するためのサービス・ソフトウェアの開発を推進する。
第一弾として、2023年度中に、ITエンジニア向けにスキルの可視化を起点とした企業向け人材育成支援サービス「はたらくモノサシ」を提供する予定だ。独自開発した自然言語処理技術注5を活用したスキル可視化エンジンを用いて、スキルの可視化や、キャリア目標の提案、スキルギャップを埋める学習コンテンツを提供。自律学習を阻む「現在位置(現在のスキル)が分からない」「目指すべきゴール(キャリア目標)が分からない」「ゴールへの向かい方(学習方法)が分からない」の3つの「分からないこと」を解消する。
 このサービスは自己申告によるスキル可視化サービスと異なっている。本人の自己申告では発見できない「認識・言語化できていない自身のスキルやそのレベル、合致する職種定義」「明示的に気づけていない職種転換の可能性、新たなキャリア目標はどのようなものか」を明らかにできるという。
 当面の焦点は、リスキリングで化けられる人がどれだけ排出されるか、DX人材がどれだけ育成されるか。DX人材に転身できなかったら、もはや過去の人とレッテル貼られてしまうのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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