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来年の春闘賃上げ「5%程度」目標へ 連合、物価上昇で引き上げ

労働組合の中央組織・連合は、来年の春闘での賃上げ目標を「5%程度」に引き上げる方向で調整に入った。過去7年は「4%程度」としてきたが、物価高で家計の負担が増していることを踏まえた。ただ、実際の賃上げ率は2%前後に低迷しており、目標の水準にどこまで近づけられるかが焦点だ。
連合は2016年の春闘から、2%の定期昇給(定昇)を前提に、賃金体系そのものを引き上げるベースアップ(ベア)の目標を「2%程度(を基準)」としてきた。来年はベアの目標を「3%程度」に引き上げる方向で、18日の幹部会で大筋合意した。目標は20日にも公表される見通しで、それを受けて傘下の産業別組織は方針をつくる。(朝日新聞デジタル 10月18日)

総務省が発表した9月の全国の消費者物価指数は前年同月比3.0%上昇した。消費税増税の影響を除くと31年1カ月ぶりに3%台を記録した。
歴史的な物価上昇を受けて、連合が来年春闘での賃上げ目標を5%程度と掲げたことに対して、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は「一定程度物価高を補填する意味も含め、賃上げが必要だ」と理解を示しつつも、「平均5%は厳しいと思う」と述べた。
その帰趨はともかく、賃上げなくして勤め人の生活水準は維持できない。それは公務員も同じである。現に行政も公務員の賃上げをめざしている。
たとえば長野県人事委員会は、民間企業との給与格差解消に向けて県職員の月給とボーナス引き上げを阿部守一知事と県議会議長に対して勧告した。 県人事委員会によると、県職員の月給は民間企業と比較して0.22パーセント、ボーナスは0.12か月分下回っている。
この格差を解消するために①月給は初任給や若年層に重点を置いた引き上げを行う②ボーナスは0.1か月分を引き上げる――を勧告した。勧告を反映させると、年間給与の平均は5万2000円上がって619万4000円になるという。
他の都道府県も続くだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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