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ニコン、社員の年収を最大20%アップへ 採用数は倍に

ニコンは9月29日、従業員の年収水準を、平均約3%・最大約20%増やすと発表した。人材確保・育成のため、戦略的に投資する。  
採用も強化。2022年度の国内のニコングループ全体で、新卒・キャリア採用あわせて前年度比約2倍の570人を採用する計画だ。  
今年10月から全従業員を対象に、業績連動型の賞与水準を引き上げる。課長以上の役職や高度な専門性を持つ人材の賃金も引き上げ、個人の成果に応じた賞与のメリハリを拡大する。  
また、来年4月以降の新卒を対象に、初任給も引き上げる。これに先駆けて今年7月から、入社6年目までの従業員の賃金を最大で月額2万円引き上げた。  
2023年3月期通期の営業利益が見通しの通りの550億円(前期比10.1%増)になれば、従業員の年収水準は平均約3%、一人当たり最大約20%増えることになるという。(ITmedia NEWS 9月29日)

公開情報によれば、ニコン社員の平均年収は811万円。平均年齢は43.5歳だから格別の高水準ではないが、比較的恵まれた水準といえるのではないか。811万円を支給されている場合、最大20%引き上げれば162万円アップして973万円に跳ね上がる。
ニコンは新卒初任給も引き上げる。博士卒、修士卒、学士卒は2万円引き上げて、博士卒は30万円、修士卒は25万2000円、学士卒は23万円へ。短大・高専卒は1万5000円引き上げて19万8000円、高卒は1万円引き上げて17万9000へと移行する。
ニコンは2018年から人事制度改革を進めてきた。この年に、年功要素の強い評価・処遇制度を廃止し、担当する職務・役割の水準と成果を重視したジョブ型の人事制度を導入した。
2022年度は、国内のニコングループ全体で、新卒採用とキャリア採用を合わせ、前年度比約2倍の570名の採用を計画している。今回の年収水準の引き上げはこの取り組みの一環という。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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