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人手不足状態の企業は49.3%、正規・非正規ともにコロナ禍で最高

企業の人手不足感の上昇が止まらない。従来、半数を超える企業が抱えていた人手不足は、新型コロナの感染拡大によって経済活動が制約され、一時的に緩和されていた。そうしたなか、徐々に景況感が上向くなかで人手不足割合は上昇し、半数を目前とする水準まで高まってきた。
 2022年8月時点の人手不足割合は、正社員で49.3%、非正社員で29.1%だった。それぞれ新型コロナが感染拡大した2020年4月以降で最も高く、コロナ禍前の水準まで上昇している。企業からは「工事・修理関係は徐々に回復基調にあるが、新型コロナの感染で人手不足の状態が続いているため工事が順当に回っていかない」(修理業、愛知県)といった、従業員などの新型コロナ感染が人手不足を招いているという声がみられた。
 業種別では、正社員では「旅館・ホテル」が72.8%で最も高い。前年同月から45.5ポイントの大幅上昇で、前月に続いて2カ月連続で業種別トップとなった。次いで、IT 人材の不足が顕著な「情報サービス」(69.5%)や、慢性的な人手不足が続く「建設」(64.4%)なども高い。(帝国データバンク 9月26日)

 コロナ不況でリストラされた人たちは、いまはどうしているのか。経済の再開とともに就職活動に入れば人手不足を解消できそうだが、まだ職に就けていないのだろうか。ともかく人手不足に悩む企業が多い。
 帝国データバンクが実施したアンケート調査には、中小企業から苦悩がにじむコメントが寄せられた。
「従業員の相次ぐ新型コロナ感染によって人手不足が続いており、営業の縮小や機会の損失が生じている」(酒場・ビヤホール)「感染者は10日間仕事が出来ず、家族が罹患しても濃厚接触者に含まれてしまうため、人手が足らずまともな仕事が出来ない」(食料・飲料卸売)、「受注・売上は好調で案件も増えているが、IT人材不足により人件費が高騰しつつある」(ソフト受託開発)との意見がみられた。
 経済の再開が事業の縮小に直結したら、それこそ皮肉な事態である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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