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パナHD子会社、管理職公募制に 20代の部課長も

パナソニックホールディングス(HD)傘下で電子部品を手掛けるパナソニックインダストリー(大阪府門真市)が、国内拠点の課長職と部長職を公募制にすることが2日、分かった。
年齢制限を設けず、人材登用を進めて社員の士気を高める狙い。条件が合えば20代で管理職に就く可能性もある。来月の導入を目指す。  
同社の従業員は約4万4000人で、このうち国内では約1万3000人が働く。本社や工場など国内拠点の管理職ポストの数は兼務者を含めて課長職で約750、部長職では約200あり、これらすべてを公募制の対象とする方針だ。
(時事通信 9月2日)

ジョブ型人事を運用すれば管理職公募制を導入しやすくなり、年功序列は一気に崩壊する。公募に応募して管理職に就任した社員が大化けすれば、後に続く社員も増えていく。やがて外資系企業のように変質していくのかもしれない。
リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、社内公募制度導入の効果として「若手社員のモチベーション向上」「若手社員の自律的・主体的なキャリア形成支援」「中堅社員のモチベーション向上」「中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成支援」「新規事業・新規プロジェクトを担う人材の発掘」などが挙げられた。
一方、若手社員はどんな動機で管理職をめざしているのだろうか。人材関連サービスの学情が20代を対象に実施した調査からコメントには「裁量を持って働きたい」「社会や組織に貢献していくために、より責任のある立場で仕事をしたい」「キャリアアップを目指すことは、働く上でのモチベーションにもなる」などがあった。
 たんに肩書が欲しいというような薄っぺらな上昇志向ではなく、より良い仕事をしたいという意欲がうかがえる。あえて役職者をめざさずに生活優先型のワークスタイルを選ぶ社員も含めて、さまざまな志向性が併存できる組織が望ましい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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