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DMG森精機、博士修了者の初任給47.5万円

DMG 森精機は、2023 年 4 月より、新卒初任給引上げを実施する。 新卒初任給の大幅改定は19 年以来 4 年ぶりで、23 年 4 月入社の新入社員に対して、博士課程卒は 36万3490 円から 47万5000 円へ、修士課程卒は 28万5250 円から 31万 円へ、学部・高等専門学校専科卒は 27万2210 円から 30万円へ引上げる。
すでに22 年 4 月の給与改定にて、短期大学・高等専門学校本科 卒は 21万3530 円から 25万5910 円へ、高等学校卒は、18万4190 円から23万9610 円に引上げた。今回さらに短期大学・高等専門学校本科卒は 29万円に、高等学校卒は 28万円に引き上げる。
これにより、賞与を含めた初任年収は、博士課程卒682万5000 円、修士課程卒 465万円、学部・高等専門 学校専科卒 400万円、短期大学・高等専門学校本科卒 370万円、高等学校卒350万円になる見込み。
新卒以外の従業員の給与は、新卒初任給の水準に合わせて 22 年 7 月より改定済みである。
(DMG森精機作成プレスリリースを要約 8月4日)

 大幅な賃上げを実施するニュースがつづいている。世界最大手の工作機械メーカー・DMG森精機の社員は43カ国で約 1万2000 名の社員。同社は賃上げの背景を次のように発表した。
「年収ベースで世界各国の給与と比較して適正化を図っており、当社従業員の給与改定を実施するとともに、今回日本における初任給および年収を国際標準の賃金水準に改定することにいたしました」
 同社は社員の健康管理にも注力している。2021 年1月に健康経営を宣言。以降、労働時間・ 在社時間の厳格管理、勤務間インターバルの確保、全社員の年間有給休暇 20 日完全取得の推進などを実施している。「社員それぞれが活躍しサステナブルな生活を送ることができる環境整備に取り組んでまいりました」という。
 業界トップ企業がこれだけ社員の処遇にテコ入れすれば、二番手以下の企業も追随しなければ、人材確保で水を開けられてしまう。とくに人件費コストの上昇にどれだけ対応できるか。これまでの賃金が低かったといえばそれまでだが――。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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