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国家公務員、ボーナス増 月給アップは若手のみ検討

人事院は1日、2022年の国家公務員給与勧告で、ボーナス(期末・勤勉手当)の支給月数を少なくとも0.1カ月引き上げ、年4.4カ月以上とする方針を固めた。
 プラス改定は3年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した企業業績が回復し、人事院の調査で民間企業のボーナスが公務員を上回る見通しとなったため、民間水準に合わせて引き上げる。
 月給も3年ぶりに民間並みに引き上げる方針。ただ、民間と公務員の差は平均で1000円未満となりそうで、すべての職員を対象に、民間の基本給に当たる「俸給表」をプラス改定するのは難しいとみられる。このため月給アップは、初任給を含む若年層のみとすることを検討。国会と内閣への勧告日は8日を軸に調整している。  
人事院は毎年、企業の月給やボーナスの支給状況を調査。官民で格差が生じる場合、公務員を民間水準に合わせるよう勧告している。ボーナスに関しては、0.05カ月単位で改定を勧告。21年は0.15カ月の引き下げを求め、支給実績は年4.3カ月となった。
(時事通信社 8月2日)

 月給アップは初任給を含む若年層を対象にするのは、明らかに離職防止策である。2022年5月、人事院は。中央省庁の在職期間10年未満の総合職採用職員の退職状況を公表した。
初めての公表だったが、それだけ若手職員の退職を問題視しているようだ。
退職者数は13年度から15年度までの3年間は横ばいで推移していた。ところが16年度から局面が変わった。この年度から増加基調が始まり、19年度には265人が退職。さらに13年度と220年度の退職者数と比べると43.4%(33人)増加した。
在職年数別の退職者数はどのように推移しているのだろうか。
在職10年未満は13年度から17年度までは100人未満で推移していたが、18年度から増えはじめる。18年度116人、19年度139人、020年度109人。在職5年未の推移も同じように傾向にある。16年度54人、18年度70人、19年度80人、20年度55人と50人以上が退職。在職3年未満でも2016年度を境に、退職者数が増加している
このように若手職員の退職者が増えているとはいえ、この数が多いのか少ないのか。評価は難しい。少なくとも新卒入社3年間で30%が退職する民間企業に比べれば落ち着いている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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