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最低賃金、31円引き上げ961円に 物価高ふまえ過去最大の上げ幅

厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は1日、最低賃金(時給)を全国加重平均で31円(3・3%)引き上げて961円とする目安をまとめた。物価高による家計の負担が増していることを重視して、過去最大の引き上げ額とした。
 引き上げ額の目安は、都道府県を経済情勢に応じて分けたA~Dのランクごとに示し、30~31円だった。今後は目安を踏まえて都道府県ごとに最終的な引き上げ額を決め、10月ごろから適用する。  
小委員会は労使の代表と学識者で構成する。実質賃金を計算する時に用いる消費者物価指数が前年同月比3%程度の上昇が続いていることから、労働者側はそれを上回る引き上げを主張。一方、使用者側は、原材料やエネルギーなどの価格が上がり経営も厳しくなっているとして、より小幅な引き上げに抑えるよう求めていた。
(朝日新聞デジタル 8月1日)

 値上げラッシュは年内一杯つづきそうだ。帝国データバンクの調査によると、上場する主要飲食料品メーカー105 社における、2022 年以降の価格改定計画(値上げ、実施済み含む)は、7 月末までに累 計 1 万 8532 品目だった。
さらに8月単月での値上げは 2431 品目に上り、単月で初めて2000 品目を超えた。帝国データは「値上げの勢いは秋口以降も止まる気配がみられず、10 月は 6305 品目で値上げ計画が明らかになっており、単月としては年内最多」と見通している。
1 万品目を突破した6月1日から約 2 カ月間で、新たに 1 万品目の値上げが新たに判明した。今年に入ってからの累計値上げ品目数は8月中に2 万品目超えが確実となるという。
ただでさえ30年にもわたって、日本企業の賃金水準は塩漬けだった。賃上げ判断は待ったなしの状態に迫られていたのだ。そこに物価高騰が襲来した。大幅な賃上げを促進しない企業では、現行の賃金水準がよほど高くなければ、キャリアップではなく、より高い賃金を求めて社員が流出してしまうだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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