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6月の転職求人倍率、前月比0.06ポイント増の1.91倍

パーソルキャリアが発表した2022年6月の転職求人倍率は前月から0.06ポイント増の1.91倍。求人数は前月比106.3%、前年同月比155.5%で、転職希望者数は前月比103.1%、前年同月比105.9%だった
 求人数は、業種別では12業種すべてで増加した。最も増加率が大きかったのは「商社」(前月比109.3%)、次いで「メディア」(前月比109.1%)。職種別でも11職種すべてで増加した。増加率が最も大きかったのは「専門職(化学・食品)」(前月比110.5%)、次いで「企画・管理」(前月比109.8%)だった。
 求人増加率の大きかった「商社」では、とくにOA機器の専門商社で求人が増加している。その背景には、オフィス改装や移転、業務効率化の推進を受け、オフィス用品や情報通信機器に対する需要が高まっていることが挙げられる。一方、転職希望者数は、例年夏の賞与後に転職を検討する人が増える傾向にあり、今年も同じ動きが見られて増加したと考えられる。
(パーソルキャリア・プレスリリースを要約 7月21日)

求人数の回復は全国求人情報協会の調査にも顕著に現れている。6月の職種分類別件数は、全体で123万2,11件、前年同期比47.9%増と大幅に増えた。
 主要職種では、販売が37.7%増、給仕が89.2%増、運搬・清掃・包装が43.1%増、調理が78.5%増、生産工程が63.0%増。雇用形態別件数には、正社員が22.5%増、アルバイト・パートが49.0%増、契約社員他が34.7%増だった。
 求人数の回復で、人材サービス会社の業績も伸び、パソナグループの22年5月期決算は、売上高が前期比9%増の3660億円、純利益が前期比27%の86億円だった。
 今後の求人動向はどう推移するのだろうか。以下は、パーソルキャリアのホームページに掲載されたdoda編集長・大浦征也氏の見解である。
「転職希望者数は中長期的には引き続き増加傾向にありますが、7月については、コロナ前同様に微減するとみられ、これらを受けて転職求人倍率は上昇すると思われます。また、原材料価格の高騰やウクライナ情勢による影響は転職市場全体にはまだ見られていないものの、局所的には出てきているので引き続き注視が必要です」
 新型コロナの成り行きも注視が必要だ。たとえ政府が行動制限を求めなくても、感染状況次第では国民が行動を自粛する。ふたたび産業界に打撃を与えかねない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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