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キャリアと連動した賃金モデルを提案 日本看護協会

日本看護協会は長年、看護職員の処遇改善を主張してきた。コロナ禍の中、岸田内閣となって処遇改善に政策的スポットが当てられ、今年2月からは、国の補助金などを活用した引き上げが実施された。6月28日に開催された日看協の会見では、看護職員の処遇改善のこれまでとこれからが語られた。
 常任理事・森内みね子氏によれば、これまで日本看護協会として、看護職の賃金に対する実態調査を行いながら、処遇の在り方について検討を重ねてきた。
 2016年に「病院で働く看護職の賃金のあり方」を提案し、また19年に「看護職のキャリアと連動した賃金モデル~多様な働き方とやりがいを支える評価・処遇~」を発行し、周知・普及活動に努めてきた。
 看護職のキャリアと連動した賃金モデルについて森内氏は、職務の遂行能力や担っている役割、専門性による貢献に応じて賃金を決定する「複線型人事制度」と「等級制度」を組み合わせた賃金体系を提案・紹介した。
(WEB医療タイムス 7月4日)

 政府が実施した看護職の処遇改善の取り組みは、2022年2月から9月までの間、看護職員の給与を1%引き上げる措置からスタートした。6月上旬に各都道府県別に発表された申請状況によると、支給要件に該当する医療機関数2720のうち申請を行った医療機関は2411だった。
申請率は88.6%だったが、日本看護協会は100%近くの申請率を想定していたという。
いわば期待外れの申請率だったが、該当する病院の大半が申請したとも言えるのはないだろうか。
 さらに日看協が問題視しているのは、補助金と診療報酬による処遇改善の対象が、就業している看護職員全体の3分の1にしか過ぎないことである。今回の対象医療機関以外の場でも、看護職員は、コロナ患者対応、一般医療、在宅看護、介護・福祉の各領域で看護業務に従事した。どの看護現場でも感染リスクにさらされながら、総体としてコロナ医療を支えたという認識から、すべての看護職員を処遇改善の対象とすることを政府に要望していく方針だ。
 折から第7波が襲来した。ふたたび看護師の負担が各現場で増えようとしている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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