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70歳まで就業、4社に1社 厚労省、努力義務後初調査

厚生労働省が24日発表した2021年の高齢者の雇用状況調査によると、継続雇用や定年延長などを導入し、希望者に70歳まで就業機会を確保している企業は全体の25.6%だった。機会確保が企業の努力義務となった21年4月の改正高年齢者雇用安定法施行後、初の調査。人手不足が深刻な中小企業で、機会確保がより浸透している。
 従業員21人以上の23万2059社を調べ、21年6月1日時点の状況を集計した。  従業員の規模別に見ると、300人以下の中小企業では26.2%が就業機会を確保していた。300人超の大企業は17.8%で8ポイント以上の差があった。(共同通信 6月24日)

あなたは、70歳まで働きたいと思いますか?――「Yahoo!ニュース」が2019年に実施した調査(回答・1万7909人)で、「働きたくない」66%、「働きたい」28%、「わからない/どちらとも言えない」6.%だった。
 では就業実態はどうなのだろうか。
 生命保険文化センターが21年に実施した調査(回答・男女2083人)によると、無職の割合は、60代前半が29・0%、60代後半が48・3%、70代前半が66・6%、70代後半が82・8%。5年刻みで無職が増えている。
 実際、60代前半の人は「65歳を過ぎても働き続けるかどうか」と検討し、60代後半になると70歳以降を検討するようになる。定年延長措置が公的年金の支給開始年齢を遅らせる目的であることは十二分に承知していても、なかなか「では、その手に乗るか?」とはならない。何もしないことへの怖さにとらわれ、とりあえずの就業機会を求め、5年刻みに今後の日々を思い描くのだ。
 現状では、働きつづけるか、仕事から身を退くか、その分岐点は70歳にあるようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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