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三菱ケミ、在宅無期限で 社員1割対象

三菱ケミカルホールディングス(HD)は出社不要の「完全テレワーク制度」を期限を区切らずに始めた。本社とその周辺で働くオフィス従業員を中心に、全体の1割に当たる4200人が対象となる。IT(情報技術)企業では導入例があるが、国内製造業では珍しい。働きやすい環境を整えてデジタル関連などの多様な人材を呼び込む。
本社とその周辺で働き、主に事務や営業、システム開発などに携わる従業員が対象。義務ではなく、希望すれば働きやすくなるよう働き方の選択肢を広げる施策となる。安全運転のため24時間3交代制を採っている工場などには適用しない。
従来は社内規定で「週1回以上は出社する」と明記していた。新型コロナウイルスの流行が拡大した2020年春に特例で完全テレワークを認めた。制度の対象となる都内拠点では現在、従業員の7割程度が在宅勤務もしくはサテライトオフィスで遠隔勤務をしている。テレワークが浸透したため今年4月から恒久的な運用に切り替えた。
(日本経済新聞 5月18日)

職種にもよるがテレワークに慣れてしまうと、従来通り現場に足を運ぶことが億劫になってしまい、腰が重くなってしまう弊害もある。おのずと入手できる情報が限定され、業務の質にも影響がおよぶことは否めない。
ただ、もはやテレワークの流れは止められない。
ダイドードリンコは、2022 年3 月から生産性向上を目的に、従業員が「テレワーク・モバイルワークをベースとした働き方」、もしくは「毎日の出社を前提とした働き方」のどちらかを選択できる制度を導入した。
同社は20 年6月に、週 3 日までの在宅勤務を可能とするテレワークをベースとした働く場所や時間の自由度を上げた働き方を導入。その後、在宅勤務による生産性向上を受けて 宅勤務の拡大(週 3 日超)を希望する声が出てくる一方で、業務特性や勤務環境等により、自宅よりも出社時の方が生産性は高まると感じている従業員も一定数存在することがアンケートなどからわかったという。
この状況を受けて、より生産性向上につながる働き方を選択できる新制度として、選択制を導入した。
一方、テレワークにはこんな一面もある。酒類販売のカクヤスが21年に実施した調査では、17%以上が「テレワーク中に飲酒をしたことがある」と回答した。これはテレワークの効能である。音楽でも飲酒でも、業務に支障が出なければ“ながら仕事”は自由度が増してよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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