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平和不動産、起業家予備軍を発掘 フィンテック分野で

平和不動産はフィンテック分野で起業家予備軍の発掘に乗り出す。今夏にも東京・日本橋兜町の自社ビルに集積する50社超のフィンテック企業や行政と連携してセミナーや交流会を開く。起業に興味を持つ20代の若者の参加を想定している。 平和不動産は2017年から資産運用会社や金融スタートアップ向けのオフィス「FinGATE(フィンゲート)」を展開している。今年4月に5拠点目が開業したことで入居企業数は計50社を突破した。海外ファンドの登録手続きをする金融庁の「拠点開設サポートオフィス」など行政も事務所を構えている。 今後は企業の誘致だけでなく、フィンテック分野で起業を計画する人の底上げに取り組む。具体的には「フィンゲートキャンパス」と称し、フィンゲート内のイベントスペースでセミナーや交流会を今夏にも開催する。(日本経済新聞 5月11日)

フィンテック企業経営者を支援する環境形成は資金調達でも進んでいる。ゲーム事業やIP事業を展開するアカツキ(品川区)は、Web3領域に特化した25億円規模のWeb3特化ファンド「Emoote(エムート)」を設立した。 Emooteは急成長中のWeb3プロジェクト20以上に対してトークン(暗号資産)で投資実行済み。今後国内のクリプト、NFT、メタバースなどWeb3領域のスタートアップに対して、投資と成長支援に取り組んでいく。 2022年はWeb3元年とも言われ、世界中でWeb3領域のスタートアップやプロジェクトが次々と登場した。分散型金融であるDeFiや、GameFiなどのNFTの台頭によって、Web3領域における大型の資金調達の案件も出ている。 アカツキは「今後より一層Web3領域でのプロジェクトが増加することが見込まれる」とコメントしている。デジタル分野で起業家を輩出する流れは、政策面ではデジタル田園都市構想の対象分野だが、最も有効な起業家支援策はさまざまな規制の緩和と税制の改正だ。今の税制ではWeb3領域の起業家が日本で続々と輩出されることは難しい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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