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就活サイトで措置命令 「就職率96%」不当表示 消費者庁

就職活動サイトで「就職率96%」などと消費者の誤解を招く不当表示をしたとして、消費者庁は27日、人材紹介会社DYM(東京都品川区)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出した。    
対象となったのは、既卒者や第二新卒者、フリーターを対象とした「DYM就職」と、新卒者向けの「DYM新卒」の2種類。自社サイトやユーチューブ動画などで、「相談からの就職率96%」、「非正規社員ではなく、正社員で100%就職に成功させている」、「書類選考なしで面接」とうたっていた。実際は、就職率の数字は同社が独自の方法で算定した一時的な最高値だったほか、正社員で就職としたものには人材派遣会社との雇用契約分も含まれていた。面接に書類選考が必要なものもあった。
(時事通信 4月27日)

不祥事が発生したときに問われるのは、迅速な事実関係の把握と公表である。通り一遍の謝罪と再発防止の表明だけでなく、そもそも何があったのかを明らかにすることが鉄則だ。
その点、DYMは、景品表示法違反で消費者庁から措置命令を出されたことに対して、迅速に、詳細に対応し、4月27日にニュースリリースで報告した。
<アフィリエイトサイトにおいて、以下の【表示期間】に、例えば「内定取得率 95.8%」や「イベント参加者の 90%以上が内定獲得!」と表示するなど、あたかも本件イ ベントに参加した求職者のうち、企業から就職の内定を取得した者の割合が 95.8 パーセン ト又は 90 パーセント以上であるかのような表示をしておりました>
例を挙げて事実関係を具体的に説明したうえで<しかし、実際には 95.8 パーセント又は 90 パーセント以上という数値は、弊社が任意の 方法で算定した、特定の一時点における最も高い数値でした>と結んでいる。
再発防止についても<アフィリエイターに 対する表示内容の是正指示やアフィリエイターとの契約解除等、表示内容の是正に向けた 各種取り組みをすでに進めております>と
実施内容を報告している。
抽象論や一般論でお茶を濁すのではなく、具体的に報告すれば企業の姿勢が伝わってくる。DYMの報告は危機管理広報の参考になる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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