Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

日本電産、永守会長がCEO復帰 「本来のスピード感ある経営に」

日本電産は21日、永守重信会長が同日付で最高経営責任者(CEO)に復帰すると発表した。創業者の永守氏に請われて日産自動車から日本電産に転じた関潤社長は、就任から1年足らずでCEOの職から外れ、最高執行責任者(COO)となる。
日本電産は発表文で「永守による経営指導体制のもと、本来のスピード感ある経営を行う」などと説明している。 日産の副COOだった関社長は2020年1月に日本電産に入社。同年4月に社長兼COOに、21年6月にCEOに就任した。
日本電産は23年4月に社名を「ニデック」に変更することも発表した。グループ一体で世界展開を加速するとしている。
(ロイター 4月21日)

業績が悪化して、やむなく永守重信会長がCEOに復帰したのかと思ったら、そうではなかった。
日本電産の2021年度連結売上高は前年同期比18・5%増の1兆9182億円。過去最高を更新した。営業利益は前年同期比7・2%増の1715億円、税引前利益は前年同期比11・9%増の1711円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度比12・2%増の1369億円。すべて過去最高を更新した。
中期経営計画「Vision2025」では2025年度に連結売上高の目標が4兆円。21年度の2倍である。30年には連結売上高10億円をめざすという。
「永守による経営指導体制のもと、本来のスピード感ある経営を行う」と発表したが、一方で、中期経営計画には「創業経営者のリーダーシップによる基盤形成期を経て、次世代経営による新体制への脱皮」とも発表している。
77歳の永守氏は終身経営者をめざしているのではないようだ。カリスマ経営者でなければ世代交代が済んでいたのだろうが、こればかりはどうにもならない。行けるとことまで行けるのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。