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バンダイナムコ、基本給を平均5万円引き上げ 初任給は29万円に

バンダイナムコエンターテインメント(東京都港区)は2月28日、年収における基本給の比率を高め、全社員の基本給を平均5万円引き上げる新報酬制度を4月から導入すると発表した。初任給は従来の23万2000円から29万円に引き上げる。
社員の働きやすさ向上につなげ、「IP軸戦略」を核とするグループの新しい中期計画「Connect with Fans」の実現を目指す。中期計画は3ヵ年計画で、4月に始まる。
 バンダイナムコグループはファンコミュニティと深く長期的につながることを目的に「IPメタバース」などの開発に注力する。ゲーム開発や運営を担当するバンダイナムコエンターテインメントは「新しい仕組みの構築に着手」するため様々な分野における多様な人材の活躍推進が必要不可欠として報酬制度の改定に至った。  
グループ会社のバンダイとBANDAI SPIRITSも4月からの新報酬制度を発表した。両社は業績連動型の報酬制度のため、賞与などによって2021年度は全社平均年収は前年比で10%アップになる見込みで、大卒初任給は同じく29万円となる。この他、持ち株会社のバンダイナムコホールディングスも報酬制度を変更する。
(ITmedia NEWS 2月28日)

サントリーホールディングスやトヨタ自動車など今春に3%以上の賃上げを実施すると宣言する企業がつづいているが、バンダイナムコエンターテインメントは破格だろう。
もともと同社の給与水準はかなり高い。
「平均年収.JP」によると、同社の平均年収は1167万円。年齢別では、30~34歳が914万円、40~44歳が1058万円、50~54歳が1304万円、60~65歳が855万円。さらに役職別では、課長が1680万円、部長が1857万円である。
 この水準から10%アップされるのだから大盤振る舞いにも見えるが、それだけ資金余力があるのだろう。今春の賃上げを抑制するか、見送らざるをえない企業にとっては垂涎の的だ。
しかし日本企業の給与水準は、この30年間上がっていない。その一方で、消費増税が繰り返され、社会保険料が上昇し、可処分所得は低下してきたのではないか。資金余力のある企業はどんどん賃上げしたほうがよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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