Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

高齢者有業率、山梨全国2位

関東・山梨8都県でも仕事を持つ高齢者の割合が上昇している。2017年と12年で65歳以上の有業率を比較すると栃木、茨城、埼玉、山梨県で上昇幅が全国(3.1ポイント)を上回った。自治体が高齢者の就業支援に力を入れているほか、企業もスキルのある人材に活躍してもらおうと定年制廃止などを打ち出している。
(中略)
 高齢者有業率が30・3%と全国で2番目に高い山名理研は経済団体や農業団体、福祉団体、シルバー人材センターなどと「やまなしシニア世代就労推進協議会」を設置。就職相談会の際に「からだ測定会」を開催し、個性にあった就職先を紹介している。
 20年度は高齢者の就労セミナーを県内4カ所で実施し、101人が参加した。さらに、企業向けセミナーで高齢者の活用を促し、企業開拓員が年間150社を回って高齢者の就職先確保を進めている。その結果、20年度は就職相談が年間405件あり、このうち48人が就職に結びついた。
(日本経済新聞 2月26)

高齢者有業率のトップは長野県である。だが、雇用環境がけっして良好なわけではない。
長野県は「長野県就業促進・働き方改革基本方針」で高齢者雇用の問題点を指摘している。
<高年齢労働者の 44.7%1が定年到達時に継続雇用を希望していますが、企業側の受入れ体制については、高年齢者雇用対策法で義務付けされた65 歳までの高年齢者雇用確保措置の導入は進んでいるものの、66 歳以上になっても希望者全員が働ける制度のある企業は、全体では12.5%(全国第28 位) と少なく、この傾向は規模の大きな企業で顕著となっています>
 長野県は①高齢者の就労ニーズを踏まえた働ける場の提供②高齢者の就労意欲の向上③
多様な働き方の導入と70 歳までの就業機会の確保――に取り組んでいくという。
 長野県の健康寿命は全国でトップクラスだが、 高齢者有業率が要因のひとつだろう。内閣府の調査によると、健康寿命と社会参加の指標として有業率の関係についてみると、健康寿命と有業率には正の相関関係がみられた。
 しかし、この相関関係を理由に、公的年金の支給開始年齢をどんどん引き上げられてはかなわない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。