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人手不足の労働市場 転職、コロナ禍前の水準に

猛威を振るうオミクロン型が社会経済活動に影響を与える中、労働市場はどうなっているのか。人材派遣、転職支援などを手掛ける人材サービス大手、パーソルホールディングスの和田孝雄社長に新型コロナウイルス禍、人手不足の下での雇用環境、働く人の意識などについて聞いた。
――第6波に襲われています。働く現場に混乱は起きていますか。
「急な派遣の依頼はない。事業会社では混乱が起きておらず、第6波に向けた準備をしていたからだろう。コロナとの闘いは2年にもなり、事業継続計画などの経験値もある」
 ――コロナ禍前と現状を比較すると。
「人材紹介(転職)はコロナ前の水準に戻っている。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連がけん引する。人材派遣は10%下回る。小売・飲食業はまだ約70%も落ち込んでいるのが主な要因だが、金融・保険業からのテレマーケティングなど非接触型営業のニーズは高い。住宅関連の引き合いも強い」
「人材派遣はオミクロン型の存在が明らかになる前の昨年秋ごろにはコロナ前に戻るのを今年3月ごろと見ていたが、現状では数カ月遅れるだろう」
(日本経済新聞 1月31日)

 人手不足は転職時の賃金アップに顕著に反映される。リクルートの調査によると、2021年10~12 月期に「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 31.5%で、過去最高を更新している。
 職種別では、IT 系エンジニアで「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 36.2%、機械・電気・化学エンジニアは 25.2%、営業職は29.5%、事務系専門職は31.4%、接客・販売・店長・コールセンターは41.1%だった。
 リクルートはコロナ以降のトレンドを次のように分析している。
<新型コロナウイルスの感染が拡大を始めた 20 年 1~3 月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年 2021 年 1~3 月期には概ね感染拡大前の水準近くに復した。足元 2021 年 10~2 月期は、そこから更に伸長を続けており、過去最高値を更新している>
 オミクロン株の動向や、さらに新種の感染症が出現しても、もはや経済活動を止める気運にない。岸田文雄政権にも主導されて、賃金アップはつづく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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