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「成長のため」キャリア再考

新型コロナウイルス禍で在宅勤務など働く環境が変化し、転職を考える人が増えている。キャリアアップの手段として転職を前向きに捉える傾向が強まり、新卒で入った会社に定年まで勤めることを美徳とする終身雇用時代の職業観は崩れつつある。転職事情のいまを追った。
「その時々の生活スタイルやスキルアップを考えてベストな会社を選んできた」。2021年9月に米IT(情報技術)大手で働き始めた松本真幸さん(40)にとって転職は5度目だ。
(中略)
 日本で働く米国人ヘッドハンターは「米国では成功のために転職するのは当然という意識がある。日本でも優秀な人ほど”転職する動きが強まっている」とみる。コロナを契機にした意識変化が進めば、日本も人材移動が活発になる可能性がある。
(日本経済新聞 1月25日)

 かつて何度も転職を重ねる人は“渡り鳥”とか“根無し草”とも呼ばれたが。あるオフィス用品販売会社の社長は中途採用の面接で、応募者に転職歴が多いと「これ以上、転職するな。転職癖が抜けなくなるから、いまの会社で働きつづけるべきだ」と諭したそうだ。
 その応募者の履歴書を見る限り、キャリアアップをめざした転職歴とは程遠く、たんにフラフラしていたのだろう。
転職がキャリアアップのステップと見なされるようになったいまでも、この見方の根本は変わっていないのではないのか。
 現職でどんな実績を築き、どんなスキルを身につけたのか――転職で問われるのはこの点だが、実績を築くには一定上の勤続年数が前提になる。短期間で職場をコロコロ変える人はキャリアアップを図っているのはなく“どこに行っても務まらない中途半端な人”に過ぎない。
 この記事に、日本で働く米国人ヘッドハンターのコメントとして「日本でも優秀な人ほど”転職する動きが強まっている」と書かれてあるが、中途半端な人もよく転職している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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