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「35歳で限界」説は昔話 ミドル転職の採用進む理由 デジタルスキルは必須

30代後半から50代のいわゆる「ミドル世代」の転職市場が活気づいています。新型コロナウイルスの感染状況は予断を許さないものの、企業活動は少しずつコロナ禍以前に戻りつつあり、ミドル転職の採用マインドも勢いが続く見込み。今後のミドル転職市場はどうなっていくのか。エン・ジャパンの転職支援サービス「エン エージェント」ミドルグループマネージャーの井用崇之氏に話を聞きました。
「35歳転職限界説」が覆り始めたのが、2000年代後半です。リーマン・ショック以降、ミドル層の転職マーケットはさらに拡大を続けます。2021年上期時点での36歳以上の転職決定数は、13年と比較しておよそ2.8倍にまでなっています。
ミドル世代が求められる理由はいくつかあります。1つは社会的背景です。現在のミドル層は新卒時に就職氷河期を経験した世代にあたります。マネジメントを任せたい世代であるにもかかわらず、企業内の人材層が薄く、社内に適材がいないことから、外部登用が進んでいるのです。
(NIKKEISTYLE 1月16日)

昭和の時代、40代は働き盛りといわれたが、いまも働き盛りであることには変わりない。就職氷河期世代は管理職として引っ張りだこの人もいれば、非正規雇用から抜け出せない人もいる。
最も格差の大きい世代になったが、それぞれの立場で働き続けている。ただ、報われるかどうかに大きな格差が開いてしまった。この格差は現役を終えたのちにも尾を引き、社会保障政策の重荷になっていくだろう。
中高年世代に向かって、どのレールに乗るかで人生の明暗が分かれてしまう。経済的敗者復活戦の機会が用意されるのは35歳前後までではないのか。
この年齢までの蓄積で、35歳を過ぎても転職先に困らない人もいれば、年齢オーバーと扱われる人もいる。35歳を過ぎた転職者に求められるのがマネジメント経験ならば、この年齢になって一定の役職に就いていない人は市場価値が低い。
マネジメント経験の乏しい専門職ならば、よほど傑出したスキルの持ち主でないと市場価値は下降線を辿っていく。昔もいまも分岐点になる年齢である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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