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来年度賃上げ3%以上 大和証券グループ・中田社長

大和証券グループ本社の中田誠司社長は27日までに産経新聞の取材に応じ、令和4年度に基本給を底上げするベースアップ(ベア)と一時金の引き上げで前年度に比べ平均3%以上賃上げする方針を明らかにした。中田氏は「燃料や食料品など生活コストが上がっている中、業績が好調な企業は賃上げで(生活コストの負担軽減に)対応するのが責務だ」と強調。賃上げの実施をメッセージとして明確に打ち出すことで社員の意欲向上も図る。 賃上げの対象となるのは、国内で勤務する社員約1万3千人。中田氏は、成長と分配の好循環を掲げる岸田文雄首相が4年の春闘に向け、「3%を超える賃上げを期待する」と発言したことを考慮。新型コロナウイルス禍からの相場回復による株取引の活発化などを背景に大和の業績が改善していることも踏まえ、ベアと一時金の引き上げで〝平均3%以上〟の賃上げを目安に定めた。 また、4年度入社の新入社員の初任給も4年ぶりに引き上げる。中田氏は「(年齢や勤続年数に応じて賃金が上がる)年功序列型の賃金制度の是正につなげる」と述べ、職務や役割、実績に応じた報酬体系の整備を進める考えを示した。
(産経新聞 12月28日)

賃上げの政策誘導として創設された「賃上げ促進税制」の適用期間は、令和4年4月1日から令和6年3月31日まで。税額控除率は大企業と中小企業で異なる。 税額控除の適用要件は、大企業の場合、必須要件が①継続雇用者の給与等支給額が前年度比で4%以上増加(→25%税額控除)、または②継続雇用者の給与等支給額が 前年度比で3%以上増加(→15%税額控除)。追加要件は、教育訓練費が前年度比で20%以上増加(→5%税額控除)。 雇用者全体の給与等支給額の増加額の最大30%が税額控除される。  一方、中小企業の必須要件は①継続雇用者の給与等支給額が前年度比で4%以上増加(→30%税額控除)、または②継続雇用者の給与等支給額が前年度比で3%以上増加(→15%税額控除)。追加要件は、教育訓練費が前年度比で20%以上増加(→10%税額控除。 雇用者全体の給与等支給額の増加額の最大40%が税額控除される。 ただ、とくに中小企業には賃上げの原資を確保できず、税額控除の恩恵をは無縁のケースも多いのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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