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非財務情報開示ルールを来年度に策定、「人の価値を可視化」-首相

岸田文雄首相は21日、企業の賃上げを促進する目的で、人材の価値を含めた非財務情報を可視化するためのルールを、2022年度に策定する方針を明らかにした。
岸田首相は記者会見で「人の価値を企業開示の中で可視化するため、来年度、非財務情報の見える化のルールを策定する」と表明。「賃上げを通じた分配はコストではなく未来への投資。きちんと賃金を支払うことが企業の持続的な価値創造の基盤になる」とした上で、「株主にも理解してもらうことが必要」と述べた。
賃上げを経済政策の「重要な柱の一つ」に位置付けており、「あらゆる手段を講じて企業が賃上げをしようとする雰囲気を醸成することが重要」とも話した。
(Bloomberg 12月21日)

 非財務情報はいまや中小企業の企業価値を評価するうえでも重要な情報として扱われている。
 経済産業省は「ローカルベンチマーク」(通称・ロカベン)という評価手法を開発したが、非財務分析に相当なウエイトを置いている。非財務分析では、経営状況を「業務フロー」「商流」「4つの視点」で把握する。
業務フローの把握では、業務の流れを整理するために、自社の製品・商品・サービスが顧客に提供されるまでのプロセスを①提案・受注②試作③仕入④製造⑤検品・納品の5段階に分類して、強みや弱みを記入する。
商流の把握では「なぜ、その仕入先・協力先から仕入れているのか?」「なぜ、顧客から選ばれているのか?」を把握する。4つの視点では「経営者」「事業」「企業を取り巻く環境・関係者」「内部管理体制」という4つの視点で、企業の現状を整理する。
 こうして整理した非財務情報と財務情報を照合して企業価値を評価するのだが、かなりの手間がかかりそうだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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