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ダイドーリミテッドが希望退職者を追加で20人募集

ダイドーリミテッドが12月13日に開催の取締役会で、10月に発表した連結子会社のダイドーフォワードの店舗勤務者を対象とした希望退職者の募集に加え、ダイドーリミテッド及びダイドーフォワードの本部勤務者を対象に20人の希望退職者の募集を行うことを決定した。募集期間は2022年2月28日から3月11日まで。
 同社は、事業構造の改革と各事業の効率化以前によってグループの収益改善に取り組んでおり、衣料事業の国内小売部門では秋冬衣料の販売において回復が見られるが、ライフスタイルや消費行動が大きく変化したことで事業環境は厳しい状況が続くと想定。一部ブランドの休止やそれに伴う店舗の閉店、事業体制の変更を進めているが、事業規模に合わせた本部体制を再構築するため、今回の募集を決定した。  
対象となるのは、ダイドーリミテッド及びダイドーフォワードに在籍する満40歳以上の正社員、契約社員、再雇用契約社員。退職日は4月20日で、特別退職金を支給するほか、希望者には再就職の支援を行う。なお、10月の発表ではダイドーフォワードの店舗勤務者を対象に100人程度の希望退職者を募集した。
(FASIONSNAP.COM 12月13日)

希望退職という言葉は実態を反映していない。人員整理を理由に退職者が募集され、応募して退職していく社員も、募集がかからなければ勤務しつづけるプランをもっていたのではないのか。
 そもそも自己都合退職もみずから希望した退職なのだから、すべて希望退職である。早期退職も正確な言葉ではない。定年退職以外は全て早期退職に該当する。
 2つの言葉を組み合わせた早期・希望退職となると、ますます退職の実態とかい離する。定年前に自己都合退職をすれば、すべて早期・希望退職である。
では実態に即して業績不振退職はどうかといえば、いかにも寂しい言葉である。
 言葉の問題はともかく、東京商工リサーチによると、2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数が10月31日までに72社、1万4505人に達した。
 前年同期(73社、1万5642人)から1社、1137人少ないが、実施企業は10月末時点で、2年連続70社を超えた。また、対象人員も3年連続で1万人を超え、高水準が続いている。
 業種では、2年連続でアパレル・繊維製品(10社)が最多で、早期・希望退職を実施した72社のうち、赤字企業が44社(構成比61.1%)。コロナの影響が直撃したのだが、ひとたび引き締まった個人の財布は、コロナが沈静化しても、短期間には緩まないのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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