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「大東亜以下」メールでマイナビが謝罪 “学歴フィルター説”は否定

マイナビの新卒向け採用サービスに登録した一部のユーザーに、「大東亜以下➈」と記載したメールを送った問題について、マイナビは事実関係を認め謝罪した。一方で、取材に対してマイナビは「学歴で一部の学生が有利になることはない」として、いわゆる“学歴フィルター”の存在は否定した。 
この問題は、マイナビの新卒向け採用サービス「マイナビ新卒紹介」が12月6日に送信したメールの件名が「<第1>大東亜以下➈」となっていたとして、複数のTwitterユーザーがメールの文面を投稿。「大東亜以下」が私立大学群の「大東亜帝国」(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)の一部を指すものである他、「➈」がネットスラングで「ばか」を表す場合があることから、学歴フィルターが存在しているのではないかと物議を醸していた。  
マイナビへ問い合わせたところ「このメールは、首都圏在住のユーザーに対して当社が送ったものに間違いない」と送信した事実を認めた。配信前の確認作業を担当者が怠ったのが原因と説明する。(ITmedia NEWS 12月7日)

学歴フィルターについては、正面から企業に問い合わせれば、どこの企業も否定するだろう。フィルターをかけている企業も人物本位を前面に出したタテマエを公式見解として回答するはずだが、実態はどうか。
上場IT企業からリクルート活動を依頼された東京大学の学生は「食事会を開くので、東大、東工大、早稲田、慶応の学生を20人集めてほしいと言われた」という。その企業としては非公式活動で、かりに発覚しても「社員が個人的に行ったことで、会社としての活動ではない」と説明する備えぐらいはあったのだろう。
グーグルの元役員によると「日本ではアメリカは実力社会と見られているが、現実は日本以上の学歴社会」という。
「グローバル企業の人事部門には世界中から膨大な数の履歴書が送られてくるので、書類選考は学歴によって処理せざるを得ないのが実態だ。そうしないと採用業務が滞ってしまう」
さらにいえば、学歴格差は親の収入格差に起因するうえに、収入格差は健康格差にも連動している。正のスパイラルと負のスパイラルが、それぞれの次元で回っている。格差解消は相当な難題である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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